ZOIDS Kanon Destiny EX

 

第4話「魔装竜VSBF」

 

 

 

 

 

 

 

 

「特に手がかりになりそうなものはなし・・・・・・か」

ここは謎の部隊に襲撃を受けた連合軍基地。

途方にくれたように立ち尽くしているのは祐一と栞、香里、名雪の4人だ。

近くには彼らの移動要塞・ホバーカーゴもある。

佐祐理、舞、美汐、真琴の4人は別の場所の調査を行っている。

「そうね・・・・・残っているのはこの基地に配備されたゾイドの残骸ばかり・・・」

「おまけに生存者がみんな行方不明じゃお手上げですね」

「聖さんのほうはどう?」

名雪は通信機片手にホバーカーゴで残骸の解析をしている聖に通信をする。

『ふむ・・・・・・駄目だな。戦闘データも解析してみたが、なんらかのジャミングを受けたらしくデータが全て破損している』

「じゃあ、結局何にもわからないってことか」

『不本意だがそのとおりだな。だが、破損状況からすると相手はほとんどが新型のようだな』

「そうなのか?」

『うむ、ゾイドが受けているダメージは既存のゾイドの武装とは微妙に異なっている。それについての詳しい話は戻ってからにしよう』

 

 

 

 

「おかえり〜、みんな。お姉ちゃんがおまちかねだよ〜」

「ぴこぴこっ」

カーゴに戻ってきた祐一達を迎えたのは聖の妹である佳乃と謎の毛玉生物(?)ポテトだ。

 

「さて、みんな揃ったところで説明を始めるが、まずはこれを見てくれたまえ」

モニターに映し出されているのはジェノザウラー。

だが、そのコックピットはドリルのようなもので抉られたあとがあり、さらに機体の半分が消滅し、ボロボロの状態だった。

ジェノザウラーは浩平の機体のほかに少数が量産されていたが、オリジナルと同レベルのオーガノイドシステムでは、

ほとんどのパイロットの精神が耐えられない為、システムに制限が加えられている。

だが、オリジナルには劣るとは言え、その性能は決して低いものではない。

「あのジェノザウラーがこんなにボロボロに・・・・」

名雪の声には驚きと共に戸惑いを隠せなかった。

「この機体が機能を停止した原因はもちろんコックピットの破損が原因だが、その傷はマッドサンダーのマグネーザーに酷似している。

もちろん、サイズこそ違うが原理は同じと見て間違いないだろう」

「マグネーザー・・・・共和国でもまだ復活させていない失われた技術でしょ?なんでそんなものが・・・」

「うむ、そのことについてなんだが・・・・・」

香里の疑問に聖はもっともらしく頷きながらモニターを切り替える。

切り替えられたモニターにはジェノザウラーに改造機らしきものが映し出されている。

だが、細部は微妙に異なり、何よりも目を引くのはその武装だ。

背中には大きなドリルとスラスターを装備したバックパックを装備している。

その姿はまるで・・・

「ジェノブレイカー・・・・・」

祐一がそのゾイドを凝視しながら呟く。

ドリルがエクスブレイカーに変わっているが、機体コンセプトそのものは浩平のジェノブレイカーと同じものということだけは見てとれる。

「ふむ、いい線いっているがな。こいつはジェノバスター。

帝国の開発部から入手した情報によると、ブレイカー以前にあのデススティンガー暴走時の抑止力として開発された機体らしい。

このドリルのようなものはバスタークロー。旧大戦時に大破したマッドサンダ―を帝国が研究し、開発されたものだ。

当時、考えられる限りの技術が結集されたらしいが、その性能にゾイドコアとパイロットが耐えられない為、開発が中止されている。

そのデータはブレイカーにも一部フィードバックされているようだがな」

そこまで言って聖は一度息をつく。

「だが、問題なのはこの機体のデータが根こそぎ持ち出されていたということだ」

「持ち出されていた・・・・てどういうことですか?」

「言葉どおりだよ。あの元ガイロス摂政久瀬が失踪したときにな」

「と、いうことは今回の黒幕はやっぱり久瀬のやつか・・・・」

「おそろくそう見て間違いないだろう。彼の目的が何かはわからんが、看過できるものではないということだ」

聖の言葉を聞きながらも祐一は別のことを考えていた。

(ジェノザウラーを破壊した相手・・・・・間違いなく奴だ・・・・!)

祐一の脳裏に浮かんでいるのはニクシー基地で出遭ったティラノ型ゾイド。

ジェノザウラーのコックピットを貫いたのはジェノバスターと同じ武装であるバスタークローに違いない。

だが、機体の半分があのように消失させられるのは荷電粒子砲ぐらいのもだろう。

おそらくあの時に出遭ったゾイドの完成体だろう。

祐一の中でそれは確信となっていた。

 

 

 

 

「この遺跡には何もないようだな・・・・・」

西エウロペ大陸にある遺跡から出てきたのは真紅のゾイド。

魔装竜ジェノブレイカーだ。

彼は今、一人でこの西エウロペにある遺跡の調査の任務についている。

デススティンガーとの戦闘の後に浩平が出した結論は「オーガノイドシステム計画」を止めることだった。

幸い・・・・とういうべきかは分からないが、計画を推し進めていた久瀬が失踪したことで軍内部では計画は中止されている。

真・オーガノイド、デススティンガーの危険性を充分に理解していたからだ。

浩平が遺跡を調査している本当の理由―――それはデススティンガーのほかにも眠っている可能性のある真オーガノイドの発見と破壊。

古代文明の負の遺産である真オーガノイドが一体とは限らない。

ならば全ての遺跡を探索し、排除する。

――――ジェノブレイカーと共に。

「まぁ・・・・何もおきないのはいいことかもしれんが、こう毎回ハズレだと暇だ・・・・・・」

既に探索した遺跡の数は2桁に達しようとしていたが、いまだに収穫はなかった。

「だったら、ボクが相手をしてあげるよ」

その声は唐突に発せられた。

その瞬間にブレイカーの側面の岩を砕いて1機のゾイドが現れる。

岩を砕いたのに用いられた高速回転するバスタークローが唸りをあげ、ブレイカーに相対する。

「なんだ、お前は?怪我しないうちにとっとと帰れ」

その口調とは裏腹に浩平は自分とブレイカーが緊張しているのがわかった。

目の前のいる相手の戦闘力を肌で感じ取っているのだ。

「魔装竜ジェノブレイカー・・・・・パイロット、折原浩平・・・。このバーサークフュ―ラーのテストに付き合ってもらうよ」

声は少女のものだがその言葉の内側にはただならぬ殺気を含んでいた。

「人の話を聞かない奴め、まぁいいか。やるなら相手になるぜ!ブレイカーっ!!」

2体の機獣の咆哮を合図に戦闘が始まった・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

予告

名雪「う〜、やっぱりセリフがないよ〜」

秋子「あら、出番があるだけいいじゃない。わたしなんて・・・・」

名雪「(ずさっ)そ、それよりあゆちゃんが出てきたところで今回は終わちゃったね?」

秋子「そうね、本番は次回ってとこかしら」

名雪「まぁ、予告するまでもないけど次回はあゆちゃんと折原くんの激突なんだお〜」

秋子「次回、ZOIDS Kanon Destiny EX 第5話は 「バーサークフューラー」わたしの出番は何時なのかしら・・・・」

 

 

 

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