コアサーバーV2プランご契約でドメイン更新費用が永久無料

 

 

Memories Off Another

 

第58話

 

 

11/13(火)

 

 

どうやら詩音たちが見舞いに来ていた間に俺は熟睡してしまったらしい。

起きたときには二人の姿はなく、

 

『お大事に  保存の効くものを作って冷蔵庫に入れてあります。ちゃんと食べてくださいね

                                        詩音・さやか』

 

と、いう書置きだけが残されていた。

時間は朝の4時。どんだけ寝てたんだ俺は。

流石に眠気はなく、体調のほうも問題ないくらいには回復しているようだ。

「シャワーでも浴びるか」

寝汗で体に張り付いたシャツを脱ぎ捨て浴室へと向かった。

・・・・・・しかし詩音と片瀬さんにはでかい借りができてしまった。

貸しを作るのは好きだが、借りを作りっぱなしにするのは主義じゃない。

近いうちにどうにか返さないといけないだろう。

・・・・・・・・桧月とのことがあったばっかなのに俺は何をやってるんだろなぁ。

深いため息と共に自問自答するが答えが出るはずも無かった。

窓から見える空はどこまでも青かった。

 

 

 

 

「うぃーす」

「おはよ、俊くん。・・・風邪、もう大丈夫なの?」

「おう、一日寝れば全快だ」

欠伸を掻きながら席に着いたのは良いが、どうにも横からの視線が痛い。

「なんでせうか?」

「えっと、俊くんが風邪引いちゃったのって、やっぱり私のせ、あいたっ!?」

とりあえずしおらしい桧月がくだらんことを言おうとしてたので全力のでこピンをかましておいた。

予想以上にダメージを与えるのに成功したらしくちょっと涙目だ。

うむ、これはこれで可愛いからありだな。

「い、いきなり、何するのよっ!?」

「何を勘違いしてるのかしらんが、お前にしおらしくされてるとこっちの調子が狂う。今みたいな般若の顔のほうがまだ似合ってるぞ」

にやりと俺が笑うと、ポカンと気が抜けたような表情を見せる。が、それも一瞬のこと。

「だ、誰が般若の顔よっ!?」

「いや、ほら、俺の目の前に」

と、目の前の桧月を指差す。手鏡かなんか持ってればそのまま桧月に自分の顔を見せてやれるんだが、残念。

「大体、俺があの程度で風邪引くほどデリケートなわけないだろ?徹夜でゲームして、フラフラの状態でバイトしたからちょいとガタがきただけだっての」

「・・・・・・もうっ、知らないっ」

胸を張って宣言すると、ついに拗ねてしまったようだ。ツンっとそっぽを向いてしまった。

よっしゃ、久しぶりに桧月に勝利。心の中でガッツポーズ。

くっくっく、ここんとこ詩音や片瀬さんにやられ放題だったこともあり、かなり爽快だ。

うむ、やっぱ人間いぢれるもんじゃない、いぢめるもんじゃ。

昨日までは調子が悪かったけど、これを機にしっかりとあの二人にも借りを返そうと心に誓う。

「・・・・・・・俊くん?」

「ん?」

桧月の呼びかけに目を向けるが、自分から呼びかけたくせに、こちらに視線を合わせようとしていない。

が、少しだけ頬が赤く染まってるように見えるのは気のせいだろうか?

「・・・・・・その、ありがと」

む。

なんとなく不意を突かれた気がする。

やっぱ、さっきの言い訳は少し苦しかったか、と内心で苦笑するが、それ以上に桧月の言葉が嬉しかった。

やっぱり事情はどうあれ好きな子からの感謝の一言は何者にも換え難い。

何に、とは返さない。ただ一言だけ返す。

「おう」

「・・・・・・・相変わらず仲良いな、お前ら」

「さて、な」

ボソリと、前の席に座る相沢が小声で呟いたが、特に反論せずに片肘を付いて聞き流した。

こいつ、全部聞いてやがったな。まぁ、別に普通に会話してたから聞かれてもおかしくはないんだけど。

「ところで、俊くん?」

「んー?」

「詩音ちゃんと片瀬さんの看病はどうだった?」

片肘付いていた手に載せていた手から滑り落ちた頭が机に激突した。

ぎぎぎ、と錆びた機械のような動きで桧月を見る。

「良かったねー。可愛い女の子が二人も看病しに来てくれるんだもん。俊くんがそんなにもてるなんて知らなかったよ」

桧月は軽蔑するような視線で俺を射抜く。怖い。その視線そのものからはプレッシャーを感じない。が、いつもの笑顔のプレッシャーも怖いけどあれはあれで物凄く怖い。

全身から嫌な汗が吹き出る。サーッと顔から血の気が引いていくのを嫌でも実感してしまう。

「な、何故にそれを・・・?」

「さぁ、なんででしょう?」

その声には一切の感情が篭っていない。冷ややかな視線を伴ったそれが余計にこちらの恐怖を煽り立てる。

「え、何、おまえ、3股かけへぶっ!?」

激しく誤解を招く発言をしようとした相沢はとりあえず拳で黙らせる。

「いや、別にそんなことは、ない、とおも・・・う、んだけど・・・?」

と、言いつも、自分の言葉に無理があるなぁ、と思わなくもない。

片瀬さんにははっきり告白されたし、詩音も詩音でそうじゃないかな、と思わざるを得ない態度だし。

「そんなに焦らなくてもいいよー、別に。どーせ、わたしには何にも関係ないことだし、ね?」

「ぐふっ!?」

桧月の容赦ない言葉が俺の心に突き刺さる。桧月と俺の関係は実際、ただの友達。

少なくとも恋人ではないのだから確かに桧月にとっては関係ないとも言える。

事実だけに否定しようのない現実が容赦なく俺を打ち据える。

「うぐぅ・・・・・・」

桧月とは逆方向に顔を向けて机に突っ伏し、一人涙する。そーですよねー、どーせ、桧月は俺が誰に好かれてても別に興味ないですよねー。

「いーんだ、いーんだ、どーせ、俺なんか、俺なんか。どーせ、要らない子なんだ、必要ない子なんだ」

「うわ、こいつ、本当に泣いてるよ」

「・・・・・・そ、そこまで落ち込まなくても」

いいえ、落ち込みますとも。はっはっは、無自覚ゆえの残酷さって怖いねー。ちくしょー、とってもどちくしょー。

別に俺はやましいことなんか一切してないぞー。むしろ、最近はされるばっかで受身ばっかじゃんかよ、こんちくしょー。

「って、あれ?」

桧月がなんで二人がお見舞いに来たことを知ってるのか、その理由に思い当たり顔を上げ、ぐるりと桧月へ顔を向ける。

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・もしかして桧月も昨日お見舞いに来てくれてた?」

そう、あの二人がわざわざそんなことを誰かに言うとは考えにくい。

じゃあ、なんで桧月がそれを知っているのか。

桧月も俺んちに来てたというなら納得がいく。

「あ、う、え、えーと」

案の定、桧月はさっきまでの表情を一転させておたおたさせ始める。

「あー、すまん。俺、おもっきし寝てたから気付けんかった。悪い」

「え?」

「いや、俺が寝ついた後に来てくれたんだろ?すまん、昨日は本当にバテてたから気付けなかった」

「え?あ、いや、そーじゃなくて」

「ちっきしょー、本気で損した、勿体無いことした・・・」

がくっと再び机に突っ伏す。今度はもう起き上がる力もない。

きっと、俺が飯を食って、寝付いてしまった後に、家に来てくれたんだろう。

ちっきしょーっ、勿体ないことしたーっ!!桧月が見舞いに来てくれたのになんで寝てたんだ、俺のあほーっ!!

心の中で慟哭する。あうあぅ。

「あの、俊くん?そーじゃなくてねっ?」

桧月が何か言ってるがチャイムの音にかき消され、ガララっと担任が教室に入ってくる。

「あうっ・・・」

桧月が何か言おうとしてた気がしなくもないが、そのまま朝の挨拶からホームルームが始まる。

結局、見舞いの件に関してはこのままお開きとなった。

「まぁ・・・いっか」と、桧月が呟いてた気もしたけど。

 

 

 

 

 

 

昼休み。智也に呼び出されて屋上に来ていた。最近何かと呼び出されたりすることが多くなったのは気のせいだろうか。

「あー、その、なんだ」

「言いたいことがあって呼び出したんなら前もって整理しとけ」

言い淀む智也に対して欠伸交じりに言う。

まぁ、話題の内容は大体検討がついてるのでそれ以上突っ込むのはやめておいた。

「オレは唯笑を選んだ」

「そうか」

意を決した智也の言葉を一言で返す。

「・・・・・・・・」

「・・・・・・・・」

互いに無言。何故か智也は何か間違ったものを見るように眉を顰めている。

「そうかって・・・それだけか?」

「や、だって、もう桧月から聞いたし。今更なぁ」

真面目な話は終わりとばかりにベンチに腰を下ろし、購買の袋を開ける。

「信もそうだけどおまえも随分とあっさりしてるんだな・・・」

どうやら俺が休んでるうちに信にはもう話をつけたらしい。同じクラスなんだから当然か。

「別にお前がちゃんと考えて選んだ答えなら、俺らが口出す問題じゃないだろ。どう反応すれば満足なんだ、おまえは」

「いや、確かにそうなんだが。普通はもっと、こう・・・なぁ?」

何が納得いかないのか知らんが、そこで同意を求められても困る。

肩をすくめるだけでそれに答え、黙々とパンを頬張る。

「ま、おまえらがいいんならいいか。とりあえず礼は言っておく。ありがとうな」

「男に言われても微妙に嬉しくないが、受け取っておこう」

「・・・無駄に一言多いよな、お前」

否定はしないが事実を口にしただけなのだから仕方のない。

これが可愛い女の子ならまた別なんだが。

…脳裏に桧月を思い浮かべ、続けて詩音と片瀬さんの顔が浮かんでいく。

いや、それはそれで後が面倒そうな予感がしてたまらない。

別にあの二人が嫌いとかそゆーわけではなくて。もっとこう、別の次元の問題というかなんというか。

「何、難しい顔してんだよ?傍から見ると危ないなヤツに見えるぞ」

「ぐっ、智也にそれを言われてしまうとは」

「どういう意味だ?」

「そのまんまの意味だ」

危ないヤツ筆頭の智也に言われてしまったのが大いにショックだ。今後は注意しよう。

「相変わらず口が悪いな……ま、いいや。これ、返す」

「あん?」

智也から受け取ったのは前に俺が渡した遊園地のチケットだった。

「唯笑がさ、学祭の実行委員になってちょっと忙しいんだよ。期限までに行けそうになくてさ」

確かにチケットを見ると有効期限は今度の日曜だ。そういうことなら仕方ないが俺に返されてもそれはそれで困る。

「……砕けて元々か」

このまま捨てるのもそれはそれで勿体無い。駄目元で桧月を誘うとしよう。

「……彩花のこと頼むな」

ポツリと本当にかすかに聞こえる程度に智也が呟いた。

振り返り見るが、智也は視線を空に向けたまま、パンを食べている。

智也が今坂を選んだとはいえ、智也にとって桧月が大事な人間の一人であることは変わりないんだろう。

今の短い一言でも、それが十分すぎるほど伝わってきた。

……まったくこいつらの絆の強さには本当呆れるばかりだ。羨ましいくらいに。

「お前に言われるまでもなく、な」

 

 

 

 

 

 

放課後の帰り道、俺は桧月と並んで歩いている。

今坂は学祭実行委員の仕事で智也はそれが終わるまで学校に居残ってる、と桧月から聞いた。

ちょっと寂しそうな顔をしていたが、あの二人が仲良くしているのは桧月にとって喜ばしいことらしい。

安心したように胸を撫で下ろしていた。

「……なぁ、今度の日曜、暇?」

「ん、今度の日曜?」

唐突に話を切り出す。信のように上手く話を誘導したりするのは苦手なので直球勝負だ。

「あぁ、期限が日曜までの遊園地のチケットあるんだけど、よかったら一緒に行かないか?」

ポケットから取り出したチケットをひらひらさせながら訊ねる。

表面上はなんでもない風を装ってはいるけど内心は心臓バクバクです、はい。

「あ、え、と、その……、ごめん。そのやっぱり、私、まだ……」

と、案の定桧月は気まずそうに俯いてしまう。

うむ、悲しいほどに予想通りのリアクションに苦笑してしまう。

やっぱり、好きなヤツに降られた直後で誘われても困るよな、そりゃ。

「だよなぁ。ふーむ、どうしたもんだかな、こいつは」

「他に誰か誘ったりしないの?」

さして俺が落胆した様子もないためか、桧月がわずかに安堵のしながら聞いてきた。

「好きなヤツ以外に誘える女の子がいるわけないだろ。少なくとも野郎と二人っきりで遊園地なんてまっぴらごめんじゃ」

「え、そう?別に男の子同士で行ってもいいんじゃない?」

「グループならまだしも、な。試しに信と智也が二人っきりで遊園地にいるところを想像してみろ」

俺に言われて桧月は顎に指先を添えて首を傾げる。

みるみると、その表情が苦りきったものになる。

その脳裏にはさぞかしおぞましい光景が浮かんでるだろう。

「ごめん、私が間違ってた」

「うむ、わかればよろしい」

桧月の答えに満足したのはいいが、肝心の問題が解決してない。

「むぅ、困ったもんだ」

「ちょっと見せてもらってもいい?」

「ん」

桧月にチケットを手渡す。むしろそのまま桧月にそのチケットを押し付けたほうが俺的に都合が良いんじゃなかろうか。

「冬の大江戸祭り…か。ねぇ、これ詩音ちゃんにあげたら?」

「お?」

なんでそういう結論になるのでせう?いや、別に詩音にやるのは構わんのだがいきなりあいつの名前が出てくる理由がさっぱりだ。

「ほら、詩音ちゃん、前にお侍さんの写真を撮って友達に見せたいとか言ってたじゃない?」

「あー、そう言えばそんな気がしなくもない」

桧月に言われなければそのまま忘却の彼方へと追いやられていただろう。

桧月から返されたチケットを見直すと、確かに冬の大江戸祭りと書いてある。

詳細はよくわからんが、確かにこれなら侍の一人や二人いることだろう。

「じゃ、これは詩音にくれてやるか」

「……詩音?」

桧月が何故か訝しげな表情をした次の瞬間。

「私がどうかしましたか?」

「うわおっ!?」

「きゃっ!?」

唐突に背後からかけられた声に飛び上がる俺と桧月。

慌ててふためきながら後ろを向くと、そこにはいつものごとく大量の本を入れた袋を持つ詩音が立っていた。

「は、背後からいきなり声をかけるなっ!心臓に悪いっ」

胸を抑えながら抗議する俺の意見にこくこくと桧月も頷いている。

「申し訳ありません。お二人を驚かせるつもりはなかったのですが」

ぺこりと頭を下げて謝罪する詩音。確かに言葉どおり悪気があってやったわけじゃなさそうだ。

「校門を出たらお二人の姿が見えたので追いかけたのですが、声をかけようとしたところで私の名前が聞こえたものでしたから」

「噂をすれば何とやら…だな。ま、ちょうどいいや、ほい」

詩音にチケットを差し出す。

「これはなんでしょう?」

と、首を傾げる詩音。まぁ、いきなり紙切れを突き出されてもわからんよな。

「遊園地のタダ券だ。期限は今度の日曜まで。詩音にあげるよ」

「え、と……なぜそういうお話になるのでしょう?」

「詩音ちゃん、前にお侍さんに会いたいって言ってたでしょう?」

「チケットに書いてある文字を見てみ」

俺が言うと双海はチケットを受け取りしげしげとそれを見つめる。

「冬の……大江戸祭り……!」

読み上げていくうちにぱぁっと詩音の表情が輝いていく。

「と、いうわけでめでたくそれは詩音のものだ。誰か仲の良い友達でも誘って楽しんできてくれ」

「あ、本当にこれ、もらっていいの?」

詩音さん、地が出てますよ?最近はそうでもなかった気がするが、やっぱ興奮すると地が出るのは相変わらずらしい。

「むしろ、貰ってくれないと困る。じゃないと、そのまま期限切れでゴミ箱行きになってた可能性が高いからな」

「…はい、ありがとうございます」

じーっと、チケットを見つめた後、何故か俺とチケットを交互に見比べる詩音。

……あれ?何か選択肢を間違った気が全開なのは何故でせう?

「俊一さん」

「……はい」

「今度の日曜日、一緒に行きませんか?」

うわーい。予感的中。

「良かったね、俊くん。日曜日は空いてるんでしょ。詩音ちゃんと一緒に行ってきなよ」

俺が何か言う前に桧月に先手を打たれた。

じーっと、抗議の視線で桧月を睨みつけるが、いたずらが成功したような目つきでニコニコと笑ってる。

別に私のことは気にしないでせいぜい楽しんできてね、とその目が語ってるような気がするのは僕の気のせいでせうか?

「私では、ダメですか……?」

「う、いや、別にそういうわけじゃ」

ぐっ、その上目遣いは反則だっ。うろたえる俺を詩音はただじっと不安そうに見つめてくるだけだ。

ちらり、と桧月に目を向けても、

「女の子を泣かしちゃダメだよ」

と素敵なお言葉を頂きました。男の子を泣かしたり苛めたりするのはありなんですかっ、と心の底から問い詰めたい気分ですね、どちくしょうっ!

「オーケイ。日曜の中目町の駅で8時半に待ち合わせよう」

あっけなく降参する俺。無理っす。この状況で回避する手段なんてあるはずもない。

「ありがとうございます、俊一さんっ」

「お、おう」

そんな手放しに喜ばれると流石にこっちも悪い気はしないどころか、嬉しくもなってくる。

なんだかんだで詩音もとびっきりの美少女なのだからなおさらだ。

「え、と、これって、その…デート、なのですよね?」

もじもじと顔を赤らめながら言う詩音。ヤバイ、さっきまでよりさらに反則的に可愛い。

「あー、うん、まぁ、そう……なる、のかな」

詩音と目を合わすことなく肯定する。まー、男と女で二人っきりで遊園地。これがデートじゃないと否定するほうが難しい。

「ふふっ、そうですよね♪」

と、いうかあんなふうに喜ばれて否定なんてできるはずがないだろう。

好きな子が別にいるのに他の子とデート、という事実だけ見ると色々最低な気がするのだけども、事情を知ってる当の本人達に行けって言われてるんだからこれは別枠だよねっ?

と、いうかこの状況で回避する選択肢があったなら誰か教えてくれ。本当に切実に。

客観的に見ると、俺は桧月に告白して、詩音はそれを知っていて、それでこの状況って色々おかしくね?というか有り得ないっすよ、普通。

などと、頭の中ではぐるぐると思考が駆け巡っているのだけれども。

「日曜日、楽しみにしていますね」

詩音のこの笑顔を見ていると、まぁ、いいかと思えてしまう。

少なくとも間違いでは、ない…よな?

「ところで俊くん?」

と、思った次の瞬間、

「いつの間に詩音ちゃんのこと、名前で呼び捨てにするくらい親しくなったの?」

おっかしいなー、俺いつの間に地雷踏んだんだろう?

神様、俺、何か悪いことしたんでしょーか?さっぱり心当たりありません。

桧月に事情を説明する前に軽く現実逃避をしてしまう俺でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

TOPへ  SSメニューへ Memories Off Another Index BACK NEXT

採点(10段階評価で、10が最高です) 10
お名前(なくても可)
できれば感想をお願いします

Up DATE 08/7/21


>地の文では完全に詩音になってるのに、実際呼んだのは詩音様、が一回だけとは
>変なとこで頑固な…
頑固、というよりは前回のときからよーやく切り替えられたってだけですね。ぶっちゃけ熱で朦朧としてた彼が意識して使い分けられませんw
>そして今回の詩音暴走、も片瀬さんもやってることは大差無い気もしますね。
>ってことは、逆に告白やキスイベント残ってる分詩音のが有利とも取れなくは…妄想か。
まー、ある意味お互いに影響しあって同レベルになってますね。
どっちが有利とかは微妙なラインですねー。学校が同じでもクラスが違ったり、バイトでしか会えなかったりしますけど。
今のとこは片瀬さんが一歩リード、というとこでしょうか。

>二人の鬼さんに囲まれて大変ですね~と読みながらも
>俊君にとっては修羅場に感じてるみたいだけど二人にとっては
>ゲーム感覚で俊君いじりしているような・・(笑
微妙にSに目覚めてるのかもしれませんw
>その場ののりで進めるなら目が覚めると二人とも一緒に寝ていたというのも面白いんですけど
>収拾つかなくなりそうですしね(笑
確かに面白い気はするんですけど流石にそこまでやるのは二人のイメージじゃないかな、と(苦笑)
や、4コマとかギャグならそれもアリなんですけど、一応シリアスな方向の話なんでw
>ちなみに最後の台詞はどちらの思いですか?両方?
>それと鍵はどちらが持って帰るんだろうと思ったりして
一応、詩音ですね。まぁ、片瀬さんも同じような気持ちを持ってるでしょうが。
鍵は同じ学校ということで詩音が持ってます。今回の話の後、ちゃんと返してます。

>メモオフの2次創作の中で唯一楽しみにしてるSSです。
>俊くんの想いが実ればいいなと草葉の陰で祈ってます。
ありがとうございますー。俊くんは色々前途多難ですが、これからも頑張っていくでしょう。
ってか草葉の陰って!?

>逃した魚は大きい、しかしそれと同等の魚を釣上げるのは男としてうらやましい。(主人公残念)
確かに傍から見てる分には限りなく美味しいというか羨ましい状況ですよね。
本人からするとそーも言ってられませんがw