Memories Off Another

 

第47話

 

 

 

11/7(水)

 

「なるほど、それがおまえの考えたプランってわけね?」

「あぁ。あいつがどっちに転ぶかはわからんが、これがベストのやり方だと思う」

放課後、俺と信はとある喫茶店で計画を練っていた。

「まぁ、たしかにあいつは状況に流されやすいところもあるからな」

「そういうことだ。二人の条件を同じにした上であいつ本人に選ばせなきゃ俺がすっきりしない」

「俺が・・・ねぇ?」

信がコーヒーを口に含みながら意味深な笑みを浮かべる。

言わんとしていることは大体想像つくので俺はそれを無視して言葉を続ける。

「本当は俺一人でどうにかしたいとこでもあるんだがな・・・。今回ばっかりはお前の手も借りたい」

「ふっ、別にいいさ。おまえだけじゃなく、オレもいい加減はっきりしておきたいと思ってたところだしな」

「そうか」

信は信なりに色々思うところがあるのだおう。

なんだかんだで俺たちは似たような境遇にある。こいつも何もしないで終わるよりは自分で行動を起こす覚悟を決めたんだ。

「で、実行するのはいつなんだ?」

「明日」

ブフッと信がコーヒーを噴き出した。

「あしたぁっ!?」

「きたねぇな、拭けよお前」

信の反応を予期していた俺はガードに使ったおしぼりをテーブルに置く。

だが、動揺してる信は俺の忠告を歯牙にもかけず問い詰めてくる。

「明日ってお前。急すぎるぞ。彩花ちゃんが退院するのは今日だろ?その翌日にいきなり実行するのかっ!?」

「善は急げっていうだろ?それに桧月自身は元々身体が悪かったわけじゃないから問題ないって」

みなもちゃんの手術が終わって精神面での心配事も片付いたことだろう。

このタイミングで俺がことを起こしたとしても何の問題もないはずだ。

「そういう問題じゃないと思うけどな・・・大体オレにも心の準備って物が・・・」

「怖いんなら引くか?俺はお前の都合お構いなしに行動を起こすぞ?事が済んだ後、何もしなかったことを後悔したいってんなら構わんがな」

わざと挑発するような言葉を選び、ニヤリと笑いかける。

「ぐぐぐぐっ・・・・」

唸る信だが、やがて観念したように息をつく。

「はぁ・・・仕方ないか。どうせオレが何を言ってもお前は聞かないしな」

「そういうことだ」

軽く笑って俺は紅茶に口をつける。

むぅ、いかんな。こないだ双海の紅茶を飲んだせいか、普通の紅茶がやたらまずく感じるようになってしまっている。

たった一回しか飲んでないのに、この症状。

恐るべし双海印の紅茶。

「しかし、お前も本当物好きだね。結果が100%見えてる賭けに出るとは」

「その言葉そのままお前に返そう。石橋は叩き壊して歩伏前進で進む主義じゃなかったのか?」

今回の賭けはどう転ぼうが俺たちの掛け金は戻ってこない。

イカサマが分かってる賭けに乗ってわざと負けるようなものだ。

「ばーか、結果がわかってるからこそのってやるんだよ」

結果が分かっているからこそ自分が受けるダメージも計算して覚悟している・・・ということなのだろう。

「そうか」

俺のほうはというと自分が受けるダメージなんて考えてない。

結果がどうだろうと俺があいつを好きなことには変わりが無い。

なら完全に諦めが着くまでがむしゃらにでも突っ走っていくだけだ。

具体的にどうするかはまぁ、そのときに考えて、だ。

「じゃ、俺は明日の放課後に桧月を」

「オレは唯笑ちゃんを」

その後に続く言葉をお互いに交わした視線に込め、互いの拳を付き合わせる。

「健闘を祈る」

「ふんっ」

信の言葉に不敵な笑みで返す。

結果の解りきってる勝負に健闘も何も無いが・・・、それでもあえてやらなければいけない勝負でもある。

俺にとっても、信にとっても。

明日の結果がどうなろうと、俺たちの関係に何かしら変化が起こるだろう。

それが吉と出るか凶と出るかわはわからん。

少なくともそれによって俺たち・・・いや、俺は確実に一歩を踏み出すことができる。

 

 

 

・・・・・・・・ただ、自分が受けるであろうダメージを想像してちょっぴり気が萎えた。

・・・俺、立ち直れるかな。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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Up DATE 07/7/12


と、いうわけで野郎二人の密談だけで今回は終了っ!
多分、今までで一番短いかも。まぁ、最初のクライマックスへの前振りということで軽く流してやってくださいなー。

>鷹野ちゃんとのコンタクト無事終了、この時点の鷹野は男嫌い全開なので無難に済んだほうかも^^
>それより片瀬さんの心情描写いいですね〜と眺めながら
>あっと思い出したことが・・・彩花の姿しばらく見てないんです。
>そろそろカムバックプリーズしてほしいです。
>(出番がないからといって幽体離脱してくるのは無しで^^)
すいません、今回は彩花どころかヒロイン誰一人出番なしですっ(汗
その分次回は彩花との最初のクライマックスになるのでお楽しみに〜。

>PS:本日アンコール発売楽しみです。いつもは通常版しか買わないけど
>KID復活のお祝いの意味でサントラ同梱版買おうと思ってます。
とりあえず自分も買うには買いましたがプレイは夏コミの原稿終わるまでお預け・・・・っ!
おまけにパッケージの端っこ潰れるとか・・・orz
Another+アンコールのコピー本とか作ろうと企んでるので思う存分遊べるのは夏コミ後でしょうか・・・・。

>ほんの少しだけども鷹乃登場!!詩音の友人になるだろ4人物!
>出だしの片瀬視点なのが新鮮でした、詩音視点が増える事を祈って応援しています
>俊クンの周りの女性達が壊れかけてるのは俺の気のせいかな?ww
詩音視点も多分いずれは書くことになると思いますよー。多分。きっと。もしかするとそうだといいなっ!
壊れかけてる云々はきっと気のせいですwむしろ壊れてるのは作(ry

>あぁ、やっべ。片瀬さん可愛い(爆)
>やっぱりというかなんというか・・・彼女も俊一の事が好きだったと。しかも、自分の想いを自覚してるし。
>あ〜・・・もうこのまま片瀬さんでいいや(ぇ
だがっ次回は彩花のターンッ!いや、俊一のターンですね。
でもその後にまた片瀬さんのターンがきっと来ますw
っていうか片瀬さん何気に人気ある?

>さて感想ですが、まさにずっと片瀬さんのターン!詩音さんが押され気味なくらいでしたw
>鷹乃はいきなり敵認定!?確かに第一印象は合いそうにないですね、この二人。しかし、いきなり鷹乃が敵対心ばりばりなのは男嫌い以外にも何かありそうなレベル。。。
>まあお互いについて知ったら、むしろ親友になりそうな気配も。主に俊一いじられ役っぽいですが(笑)
鷹乃さんは2ndでも最初からあんな感じだったような・・・。
書く機会がないのでぶっちゃけますが、別に何もありませんっ!強いて言えば店の中から女の子二人連れで来たもんだから女たらしとかそういうふうに勘違いしたとか?
さて・・・この二人が互いを知る機会があるのでしょうか・・・w