HAPPY★KANON

 

第22話

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで二人の妹と美坂姉妹を引き連れてものみの丘へと到着したわけで。

「・・・・・・・久しぶりだな、ここも」

そう、7年前にも俺はここに来たことがある。あのときは冬であたり一面雪景色だったけ。

この時期に来ることはあまり無かったが暖かい風が心地よい。

「へぇー、ここがものみの丘なんだーっ!!」

「うーん、風が気持ち良いわねーっ」

みなと咲耶もここが気に入ったようで伸びをしながら暖かい風を全身でかみ締めてる。

さて・・・・・ママたちはどこかな?

そう思ってあたりを見回すと・・・・・・・・・・いた。

ここから少し降りたところでビニールシートを広げ談笑している。

「あれ・・・・・・って、先生たち?」

香里もそれに気づいたらしく驚いたように聞く。

「あぁ、そうだろうな。先生たちもピクニックに来たのかな?」

・・・・・我ながら白々しいと思うが、気にしない。

「・・・・先生たちも来てるなんて奇遇ですね」

栞が複雑そうな顔で呟く。

「あら、あの人たちがお兄様の先生なの?なら、きちんと挨拶してこないといけないわね。いこ、みなづきちゃん」

「うん、お兄ちゃん、早く早くーっ」

「お、おう」

みなに腕を引っ張られて走り出す。

・・・・・・二人とも見事に初対面を演じようとしている。

「あ、祐一さん、待ってくださいよー」

「もう、しょうがないわね・・・・」

やれやれといった感じで香里も走り出す。

 

 

「あら、祐一くんに美坂姉妹じゃない。あなたたちも遊びにきたの?」

「ええ、そんなとこです」

「あれー、そっちの二人は?」

俺の影に隠れたみなと咲耶に興味津々の様子で初対面を演じるうづきママ。

「はじめまして、お兄ちゃんの妹のみなづきです。」

「お兄様の恋人の咲耶です♪」

さりげなく咲耶がとんでもないことを言っている。

「あら、咲耶ちゃんは祐一さんの只の幼馴染ですよね?嘘はいけませんよ。クスクス」

笑顔で言う栞。ただ、相変わらず目は笑ってない。俺が口を挟む暇も無い。

「ふふん、お兄様に会って間もないあなたに私たちの何がわかるのかしら?」

「ふ・・・・そんなことだからお子様なんですよ。恋に時間は関係ないんですよ?」

「あら、どっちがお子様かしら?年齢はともかく身体的に成長していないあなたにお子様呼ばわれるされる筋合いはないわね」

フン、と胸を張る咲耶。さりげなく胸を強調しているのがポイントだ。

咲耶の視線は明らかに栞の胸に当てられ、口には嘲笑を浮かべている。

「えぅ・・・・!」

あからさまに栞に動揺が走る。

・・・・・・・・まぁ、客観的に見た場合どちらが成長しているかは明らかだ。

「あ、皆さん一緒にお茶でもいいかがですか?」

「とっておきの羊羹もあるわよ?」

「遠慮せずに来い来い」

「皆一緒のほうが楽しいしね♪」

・・・・・・・・・・・・咲耶と栞の絶対零度の対決をものともせずマイペースなママたち。流石だ。

「あ、みなもいただきまーす」

「それじゃ、遠慮なくお邪魔させてもらいますね」

「・・・・・ここ、空いてますから・・・・どうぞ」

「じゃ、遠慮なく」

自分の隣を空けてくれたきさらぎママの隣に座る。

「はい、祐一さんどうぞ」

「ありがとう、一文字先生」

ずずとむつきママから渡されたお茶を飲む。

「良い天気ですね、こういう日はやっぱり外で過ごすのが気持ち良いです」

「それには同感。こうやってのどかに過ごすのも悪くないと思うよ」

「やっぱりそうですよね、うふふ」

そういって嬉しそうにむつきママが微笑む。なかなか悪くない雰囲気だ。

「ジーッ」

「・・・・・・どうした、香里」

何故か疑わしそうな目でこちらを見ている香里に尋ねる。

なんというかこれ以上ないくらい不審な目つきで。

「・・・・・・別に。ただ相沢くんて一文字先生と仲が良いんだなって」

「そ、そんなことはないぞっ。香里も変なこと考えるなぁっ」

「そ、そうですよ、わ、わたしは別に・・・・そうですよね、四天王先生?」

「うん?そうそう。別にむつきちゃんが特別なわけじゃないよ。ねーっ♪」

そしてダッシュで俺に抱きついてくるうづきママ。

「うおおっ!?」

その勢いに二人して倒れこむ。

「ちょ、四天王先生!何してるんですかっ!!」

香里が怒ったように怒鳴りだす。

「んふふ〜、うづきも祐一君と遊びたいだけーっ!キャハッ♪」

「あーっ!ずるいぞっ、うづきお前だけっ!俺も混ぜろ!!」

「って、何故に!?プロレス技にかけられる、俺!?」

「ハッハッー。昨日開発したばかりの新技だっ!!とくと味わえーっ!!」

「だから何故そうなるっ!?」

「ふふ・・・・みんな賑やかねぇ」

「あーっ!!私のお兄様に何してるのよっ!!」

「違いますっ!!いつから祐一さんはあなたのものになったんですかっ!!」

「最初からよっ!お兄様と初めて出会ったときからお兄様の全ては私のもの!同時に私の全てはお兄様のものなの!」

「勝手に決めないでください!さりげに凄いこと言ってます!祐一さんが迷惑ですっ!そんなの祐一さんが許しても私が許しません!」

「幼児体形のお子様は黙ってなさい!」

「うぐっ、そ、そんなの関係ないです!祐一さんはきっとそんなの気にしません!」

「ええぃそこの二人っ!勝手に俺を無視して話を進めるなっ!!」

「相沢くん!先生とそんなことしていいと思ってるの!?」

「俺は技をかけられてるだけだっ!!しかも俺の意思とは無関係だっ!!」

「あーんっ!うづきも一緒に遊ぶーっ!!」

「俺は遊んでないっ!!」

「みんな元気でいいわねぇ・・・・・」

「そうですね。みんな楽しそうで何よりです」

「そこの確信犯と天然ボケの方々!!好き勝手言ってるんじゃないっ!!」

「・・・・・・・・・・・・・これも運命・・・・・ですね」

「そんな一言で片付けるなっ〜!!!!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                                UP Date 3/28

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 どーにもこーにも煮え切らない感じです。何がって言われても良くわかりませんけど。

 そうそう、何故シスプリで咲耶を出したかっていう質問がありました。

他のキャラでも良かったのでは?と言われてますが、まぁ、咲耶が一番暴走させやすかったとかいうか使いやすかったというか。

・・・・・・・・・・・・・・一番の理由としては自分自身が出したかったというとこでしょうか(死)

・・・・・・・いや、シスプリ単品のSS書くのは多分無理だし。こうでもしなきゃ咲耶を使う機会なかったろうし。

シスプリそのものは別に好きってわけでもないんですが、咲耶自信はお気に入りなんですよね。

小悪魔のクセして純情なんとことか、暴走癖あるとことか、堀江由衣さんも何気に最近特に好きですし。