HAPPY★KANON
第18話
「ではでは!まずは、エントリナンバー1番!こよみ学園の専任校医にして巫女さん!
頼れるみんなのお姉さん!三千院やよいちゃんで〜す」
俺が呆気に取られているといつの間に着替えたのか、何かのクイズ番組の司会者のような服装で
マイク片手に盛り上がるうづきママ。幕が上がるステージから拍手が聞こえるのもお約束だ。
「って、おお!?」
「うふふっ、なんか照れちゃうわね♪」
そういって出てきたやよいママの服装は女子高生の制服だ。
しかもノリノリで色々ポーズをつけてるし(汗)
何故か俺がいた澄空高校の制服である。
「どう?祐一くん?似合うかしらゥ」
スカートの裾を摘んで1回転するやよいママ。
コクコクと首を縦に振る俺。
照れてると言ってる割にはメチャクチャ気に入っているようだ。
と、いうか照れてるというのは絶対に嘘だ。
ママ達の中でも特にスタイルのいいやよいママの制服というのはなんというか
アンバランスで奇妙な色気を醸し出してる。
「んふふ〜、祐一くんに気に入って貰えたなら私も嬉しいわ。たまに着てみるのもいいかしらね」
「いや、それは・・・」
微妙に目のやり場に困るというかなんというか・・・・。
「ふふっ、それは・・・?」
人差し指を顎にあてて、いたずらっぽい目で聞いてくる。
うう・・・絶対に解ってて聞いているよ、この人は・・・・。
「そ、それより、なんで澄空の制服なの?」
「えへへ〜、それはうづきが調べたからだよ♪
やっぱやっぱ、ママとしては息子の前にいた学校の制服もチェックする義務もあるじゃない?
うづきとしてはこ〜んな可愛い制服を見逃すわけにもいかないしね♪」
「はは・・・・」
・・・・チェックするのは制服だけかい!と、突っ込むべきか?
っていうかそんな義務はないと思うぞ。何かが思いっきり間違ってるぞ・・・。
「まぁ、楽しければいいじゃない。そんなこと、ネ?」
俺が混乱しているのがそんなに楽しいのかやよいママは俺の腕を掴んで、
「って!いや、何でそんなに密着するのデスカ!?」
うぉっ!?腕に柔らかな感触が!!
「いいじゃない♪親子なんだからゥ」
「い、いや、そーいうことじゃなくて!」
「うふふ・・・・ゥ」
ぜ、絶対確信犯だよ・・・・・た、耐えろ!俺の理性!!
「・・・・やよいさん、時間・・・です・・・」
「おぅ!?」
いきなり目の前に逆さのきさらぎママが出てきた。
「あら、そうなの?仕方ないわね・・・・・・ちぇっ、残念。じゃ、また後でね♪」
渋々と俺の腕を放し、ステージに戻って退場するやよいママ。
「あ、ああ・・・またね」
・・・・助かったような、なごり惜しいような複雑な気分だ。
「・・・あまり・・・ハメをはずさないように・・・」
現れたときと同じようにするすると上に昇って消えるきさらぎママ。
・・・俺のせいじゃないと思うんだが。
ふと、背筋に悪寒が走る。
・・・・・・・・・舞台脇から複数の殺気を感じるのは気のせいだろうか?
「えっとぉ、うづきママ?もしかして舞台裏からこっちの様子って見えたりする?」
「うん!もっちろん♪みんな、祐一くんがどんなリアクションするか楽しみにしてるよゥ」
むつきママとかあの咲耶に今の様子がばっちり見られたわけ?
うわぁ、後がもの凄く怖いや。
「じゃ!続けていっくよ〜!次のエントリーは溢れる野生!
燃える闘魂!有り余る無駄な体力!五箇条さつきちゃんで〜す♪」
ほぉ・・・・さつきママか。うづきママさりげに酷いこと言ってる気がするのは気のせいだろうか?
さっきはあんなに嫌がってたんだけどどんな格好してくるんだろ?
・・・・・
・・・・・
「・・・・・・まだ、出てこないの?」
「ん〜、さつきちゃんてばまだ渋ってるのかなぁ?ちょっと待ってね?」
そう言ってうづきママが舞台脇に消えると、なにやらゴタゴタ物音が聞こえる。
・・・・やっぱ、また抵抗してるのか?
「ほら、さっさと覚悟を決めなくちゃ、さつきちゃんらしくないよ?」
「だ、だって、こんなのは、恥ずかしいじゃないか?」
「そんなことないわよ。ほら、祐一くんの為だって、思えば平気でしょ?」
「あ、あいつの為?」
「そうですよ。みんなが楽しく過ごす為と思えば大丈夫ですよ」
・・・・・
・・・・・
・・・・・
なにやら小声で話し声が聞こえるが内容までは聞き取れない。
何を話してるんだろうか?と、思っているとぴょんと、うづきママが戻ってきた。
「お待たせ―っ!それじゃいよいよさつきちゃんのお出ましで〜す」
再びステージから拍手の音が聞こえるとすごすごと出て来たのは・・・
「メ、メイドッ!?」
さつきママの衣装はメイド服だった。
おまけに普段むつきママが着ているものよりもスカートが長くて、
それじゃ仕事がやり辛くないですか?と聞きたいくらいフリルがついてヒラヒラしている。
「う、うう・・・・」
おまけにそれを着ているさつきママは顔を真っ赤にしてモジモジしながら上目遣いで、
「あ、あの・・・に、似合ってる・・・かな・・・・?」
・・・・・・ぐはっ、か、可愛いぞ!さつきママ!!
「ばっちり!!最高!!」
ピッと親指を立てて応える俺。
まるで別人と思える程に普段とギャップがあり過ぎるがむしろそこがキーポイント!!
「そ、そっか。おまえに喜んで貰えたならオレも嬉しいよ・・・アハハ」
相変わらず顔を真っ赤にしながら微笑むさつきママ。
可愛い過ぎる・・・・。
くぅぅ!俺って幸せ者だなぁ。思わずガッツポーズなんて取ってしまうぞ。
「アハハっ、祐一君大喜びだねっ♪じゃ、次の人の番にいくからさつきちゃんは退場〜!」
「え、も、もう終わりなのか?あ、こら、うづき!」
「はいはい、往生際が悪いよ!キャハッ♪」
呆然としている隙を突かれたか大した抵抗をする暇もなくさつきママはうづきママに引きずられていった。
うーむ、本当にいいコンビだな、あの二人。
もしかしたらお笑い芸人としても食っていけるのでは、とも思う。
「お次は祐一くんの義理の妹!キュートなポニーテールがキーポイント!みなづきちゃんで〜す!!」
みなづきか。あいつは普段見慣れてるからなぁ。どんな格好で出てくるんだろ?
そんなことを考えながら幕が上がっていく。
「・・・・・ほう」
みなづきの衣装はファンタジーとかのお姫様が着ていそうなドレスだ。
裾を持ち上げて軽く会釈するみな。
「えへへ・・・どう?お兄ちゃん?」
「結構サマになってるじゃないか。うん、良く似合ってるぞ」
「ホント?えへへ、お兄ちゃんに誉められると嬉しいな♪」
心から嬉しそうに笑うみな。
「相変わらず、みなは単純だな」
この程度のことでここまで喜ぶんだから安上がりな奴・・・。ちょっと苦笑してしまう。
そこがみなのいいところでもあるんだけど。素直で純粋なのだ。
「うー、お兄ちゃんのいじわるっ」
「ま、本当のことを言っただけだからな。そんなに怒るな」
「もうっ・・・お兄ちゃん昔からそういうところ変わらないよね」
「まぁな。性格だからそうそう変わりようは無いさ」
ふと、視線を感じて振り向くとうづきママがやたらとニコニコしながらこっちを見ている。
「な、何・・・?」
「みなづきちゃんと祐一くんって本当の兄妹みたいに仲がいいんだな〜って。
ママとしては嬉しい限りだよ。うんうん」
「そりゃ・・まぁ、実際に今までそういう風に過ごしてきたから・・・」
面と向かってそういうことを言われるのはやはり照れくさい。
「あははっ、お兄ちゃん照れてるっ。あのですね、お兄ちゃんがこういうふうに目を逸らす時って
照れくさくって恥ずかしがってる時なんですよ」
「こらっ、みな!余計なことをいうんじゃないっ!」
「だって、本当のことだも〜ん」
「キャハッ、祐一くん耳まで真っ赤だよ♪」
「・・・・うぐぅ」
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UP Date 9/20
ペースがた落ちですね・・・・、申し訳ございませぬ。
コスプレネタ自体は結構前から考えていたんですが、良く考えてもママたちの普段の格好がコスプレの上、
TVや原作でもすでに色々な格好してるんですよね・・・・。
今更何を躊躇ってるんだということで、TVと被ってるとこもありますがご容赦くださいm(_ _)m
次回はむつきママときさらぎママと咲耶です。
だれか咲耶のコスプレアイディアください・・・・(マテ