HAPPY★KANON

 

第15話

 

 

 

「へぇ〜、ここがお兄ちゃんのお家なんだ〜」

「さすが、お兄様の家だけあってセンスもいいわね」

さて・・・・・なんとか家まで辿り着いたもののここからどうするか。

二人にママたちのことを説明しようにもどう切り出すかが問題だ。

「お兄ちゃん、早くお家に入ろ?」

「あ、みな。ちょっと待て」

「え?」

 

「祐一くんっ。おっかえり〜♪」

 

 

みなが振り向いたと同時に家の扉が開き、飛び出してくるうづきママ。

「あれ?祐一くん、その子達は?うちの学校の子じゃないよね?」

「いや、この二人はね・・・」

「お兄様」

「・・・・・・はい」

「この人・・・・・誰?」

咲耶の笑顔で氷のように冷たい一言を引き継ぐようにみなが首を傾げて聞いてくる。

「え〜と、落ち着いて聞けよ?この人はな?」

 

 

「お帰りなさい祐一さんごはんにします?それともお風呂?」

「・・・・・・・おかえり・・・なさい・・・」

「あらあら、ようやく帰ってきたのね。おかえりなさい」

「おう、おかえりー。今日は随分遅かったんだなー」

 

 

ああ、こんな狙ったようなタイミングで出てくるのね、ママ達。

なんか今日(いつも?)こんなのばっかし。

ガシッ

「・・・・・・説明してくださるわよね?お・に・い・さ・ま
「・・・・はい」

あの・・・・・とりあえず俺の顔を掴んだ手の力を緩めて欲しいんだが・・・・ふつーに痛いです。

 

 

 

 

きさらぎママは(地図の件もあり)二人がいることを知ってはいたが、他のママ達には教えてなかったらしい。

後で理由は聞いてみたら・・・・・・・・。

「そのほうが・・・・・面白そうだったので・・・・・」

だ、そうだ・・・・・はは・・・・・。

「と、いうわけでこの二人は俺の妹みたいなもんなんだ」

ママたちに二人を紹介すると、それぞれに自己紹介しつつ、わいわい騒いでる。

「みなづきちゃんと咲耶ちゃんか〜。二人とも可愛い〜♪」

「へぇー、祐一にこんな可愛い幼馴染がいたなんてねー」

「本当ですね。ちょっと意外です」

「倉田さんといい、川澄さんといい・・・・こんな年下の子達まで・・・・祐一君もすみに置けないわね

「そこっ!やよいママ!!妙な解釈しない!!」

「はいはい

うう・・・やっぱり絶対俺の境遇を楽しんでるよあの人・・・・。

「・・・・・・で、お兄様?」

「・・・・・・おう」

「なんでおにいちゃんには5人もママがいるの・・・・・?」

「う”」

そう、みなたちへの説明はまだしてない。

みなは単にその様子を不思議に思っているだけだが、咲耶は普通に目が笑ってなくてちょっと・・・・いや、かなり怖い。

「え〜と、だな・・・・・」

うーむ、どこから説明すればいいのやら。

・・・・・・

・・・・・・

・・・・・・

「・・・・・と、まぁ、こんなわけなんだが」

「5人の先生たちが・・・・」

「おにいちゃんのママなの・・・・・?」

咲耶とみなが微妙に納得したのかしてないような表情で首を傾げる。

大丈夫だ。俺もあんまりよくわかってない。

「それで・・・・・お兄様は納得してるの?」

「ん?・・・・ああ。だからこうして一緒にいるわけだしな。それに・・・・」

「それに?」

言いかけて言葉を止める。こっから先は本人達の目の前でいうにはあまりにも照れくさすぎる。

「ちょっと、みな、咲耶、こっちに。・・・・・・・・ママたちはここで待っててくれよな」

二人を居間から2階の廊下まで連れ出す。

うむ、ここからならママたちに聞かれはしないだろう。

「えっとだな・・・・・・少なくともあの人たちが純粋に俺のためにしてくれてるってのはわかるから」

それがただの同情や善意からなのか・・・それとも別の理由か・・・そこまでは今はわからないけど。

「だからその・・・・俺は・・・あの人たちをママとして・・・・みなと、咲耶と同じように・・・・大切な人・・・・家族として認めてるし、必要としてるんだ。

・・・・・・二人にもそれをわかって欲しい」

二人は俺の言葉を聞いて黙っている。

やがて、何かを決心したかのように二人が顔を上げる。

「うん・・・・お兄ちゃんがそう言うなら、みなもわかった」

「そうね・・・・お兄様が納得してるんだったらわたし達がどーこー言えないものね」

「・・・・ありがとな。二人とも。んじゃ、ママたちのところへ戻るか」

ふぅ・・・・一時はどうなることかと思ったが、とりあえずは一安心ってところか・・・。

 

 

 

 

 

「・・・・だ、そうです・・・・・・」

「へへ・・・・あいつ結構可愛いこと言うじゃねぇか」

「あはは・・・、さすがにちょっと照れちゃうね・・・♪」

「ふふ・・・・そうね」

「でも・・・やっぱり、ああ言って貰えると嬉しいですね・・・・・

 

祐一のセリフはきさらぎママの盗聴器によってしっかりママ達に聞かれていたのはお約束。

 

 

 

 

「どうしたの、咲耶ちゃん。いきなり考え込んで?」

お兄ちゃんが先に居間に下りてすぐに咲耶ちゃんは下を俯いてる。

どうしたんだろ?

「・・・うん、お兄様にはああ言ったもののやっぱり認めるわけにはいかないわよね・・・」

「・・・・・え?」

「そう!私たちを差し置いてお兄様と一緒に暮らすなんてそう簡単に認めるわけにはいかないわ!」

「あ、あの・・・・さ、咲耶・・・ちゃん?」

「あの人たちの欠点を暴きだしてお兄様に気付いて貰うの!一緒に暮らすのは私たちのほうがふさわしいって!」

ガシッ!

「みなづきちゃん!一緒にがんばりましょう!」

「え!?み、みなも・・・!?」

「そうよ!みなづきちゃんだってお兄様と一緒に暮らしたいでしょ!?」

「う・・・・それは・・・そうだけど・・・」

「だったら決まりね♪さぁ、そうと決まったらいろいろ作戦を練らなくちゃ♪フフフ・・・」

うう・・・・咲耶ちゃんが暴走してる・・・・。

「おーい、みな、咲耶ー。早く降りてこいよー!」

「はーい、お兄様。今行きまーす

い、いいのかなぁ・・・・・お兄ちゃんがいいって言ってるんだから余計なことはしないほうがいいと思うんだけどなぁ・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

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                                UP Date 6/1

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みなさんの感想やアドバイスは本当色々参考になってます。本当、ありがたいです。

いくつかアイディアも頂いているのでこれはっ!っていうは使わさせて貰おうかとかも思ってます。

相変わらず未熟ではありますが、とりあえず懲りずにやっていこうとおもってます。