HAPPY★KANON
第11話
「・・・・・・・で、何でこんな状況になってるんでしょう」
「あははー。ご飯は大勢で食べた方が美味しいじゃないですか」
「・・・・祐一うるさい」
「あら、相沢くんは不満でもあるの?」
「そうだよ〜」
「・・・・・いや、別に」
そう、俺は今何故か、佐祐理さん、舞に加えて名雪と香里まで一緒になって昼食を食べている。
ちなみに学食の食堂である。
しかも何時の間にか皆、意気投合してるし。
相変わらず周りから嫉妬混じりの敵意を感じるが、さっきの状態よりは全然マシか。
「あ〜、祐一くんみつけた〜!!」
「!?」
i声と共にいきなり誰かが抱きついてきた。
・・・・・・・・・・ついでにその反動で椅子が倒れる。
「なにやってるんですか?祐一さん?」
「・・・・俺に聞かないで下さい」
倒れた俺を覗き込む佐祐理さんに言ってから首を回す。
「・・・・で、何やってるんですか?四天王先生」
「えへへ〜、祐一くんと一緒に遊ぼうと思って♪」
とにかく立ち上がってうづきママを起こす。
「ありがとゥ」
ガシッとしっかり腕を掴まれる。
「じゃ、美術室にレッツ・ゴーッ!!」
「え」
反論する暇など無い。
あの小さな体のどこにそんな力があるのか、うづきママは俺を猛ダッシュで引きずっていく・・・というより俺、浮いてるよ。
とりあえず一言言いたい。
「なんでそうなるんだ〜っ!!!!」
「ねぇ、香里・・・・・・」
「なに、名雪」
「もしかしてわたし達の一番の敵はあの先生達かもしれないよ・・・・?」
「奇遇ね、わたしも今そう思ったわ」
「舞、佐祐理たちも負けてられないね?」
「みまみま」
「美術室にとうちゃ〜くっ!!」
ベシッ
「ぐおっ」
うづきママが止まった反動であえなく美術室のドアに叩きつけられる。
うう、なんか俺、そのうち凄く頑丈になれそうな気がする(泣)
「栞ちゃ〜ん!祐一くん連れてきたよ〜」
そんな俺を引きずったまま、美術室の中に入るうづきママ。
栞って誰?
「わ、その人が祐一さんですか?」
そう言って、未だに引きずられている俺を覗き込んできたのは髪の短い女の子だ。
制服のリボンからすると一年生だろう。
「紹介するね♪うづきの美術部の子で栞ちゃんって言うんだよ」
「はじまして、祐一さん。美坂栞です。よろしくお願いしますね」
「相沢祐一だ」
「えっと、祐一さんのことはうづき先生から色々聞いちゃいました。えへ」
はにかんだ笑顔がちょっと可愛いかも・・・・・・・って・・・・・・イ・ロ・イ・ロ?
すぐに跳ね起きてうづきママに小声で詰め寄る。
「まさか、家のことは言ってないでしょうね?」
「あはは、大丈夫だよ。うづきだってそれぐらいはわかってるって♪」
正直かなり不安な気もするが、ここは息子としてママを信じたいっていうか信じておこう。
「? 二人で何話してるんですか?少し怪しいですよ?」
「いや、そんなことは全然ないぞ?」
「うんうん、全然ないよ?」
「なんか、怪しいです・・・・・・・」
「あ、ええっとぉ・・・・・あ、そうだ!四天王先生。絵のモデルになる約束だったな!」
「あ、うんうん、そうだよっ。栞ちゃんも一緒に祐一くんを書こうよ、ね?」
「う〜、二人ともごまかしてません?」
「全然、そんなことはないぞ?」
「うんうん、全然ないよ?」
そして計ったように昼休み終了を告げるチャイムが鳴る。
「おお!?もう昼休みも終わりじゃないか。とても残念だが早く教室に戻らないといけないなっ!」
「祐一さん・・・・なにか凄くわざとらしいですよ?」
「あはは、二人とももうすっかり仲良しだね♪」
「・・・・・そうなのか、栞?」
「うーっ、そんなこと言う人嫌いですっ!」
頬を膨らせてそっぽを向く仕草もそれはそれで可愛いかも・・・・。
「って、いい加減に戻らないとやばいか」
「それもそうですね。じゃ、祐一さんまた、放課後です」
たたっと、小走りにかけていく栞を見送る。
「おう・・・・・・・って、え?」
何故に放課後?・・・・・・・・・・ま、いいか。
「・・・・ねぇ、祐一くん。祐一くんも急がないと次の授業遅刻するよ?」
「次の授業・・・・・・・しまったっ!!よりにもよってさつきマ・・・・五箇条先生の授業じゃないかっ!」(汗
「あらら〜、さつきちゃん遅刻者には厳しいよ〜。自分も遅刻常習犯なのにねっ♪・・・・あれ?」
うづきママの言葉を最後まで聞かずに猛ダッシュ。
さつきママの授業を遅刻したら酷い目にあうこと確定だ。
どうか、間に合いますように・・・・・。
「うう・・・・・・・まだ関節がいてぇ・・・・」
「はっはっは、まぁ遅刻してきたお前が悪いな」
北川・・・・・おまえは一体何がそんなに楽しい?
・・・・・・・・・・結局、猛ダッシュと祈りも虚しく、さつきママの授業に遅刻した俺はあえなくプロレスの技の実験台にされた。
少しぐらい手加減をしてほしかった。
「大丈夫、祐一?」
「名雪・・・大丈夫そうに見えるか?」
「ううん。全然。全治3日って感じだね」
「・・・・例えが地味にリアルね」
「・・・・・うぐぅ」
まぁ、あとはホームルームをこなせば放課後だ。そのあとにやよいママに看て貰えば平気だろう。
「はい、みなさん。ホームルームを始めますから席についてくださいね」
「と、一文字先生が来たか。じゃ、相沢お大事にな」
「・・・おう」
そして学校も無事に終わり・・・・・・
「相沢くん、生徒指導室で待ってますからねゥ」
全然終わってない(汗)
うわぁ・・・・むつきママまだ、怒ってるよ。
確かに一見笑顔だ。相変わらず目は笑ってない。
「あの〜、相沢祐一さんいらっしゃいますか・・・?」
と、教室に入ってきたのは一年生の制服の女の子。
俺が知っている一年生といえば、さっき知り合った一年生しかいない。
ってか、この状況前回もアリマセンデシタカ?(泣)
「相沢ぁッ!!貴様、上級生ばかりか下級生にまで手を出していたのかぁっ!?」
「誤解を招くような言い方をするなぁっ!!」
「ぐおおおおっ!?ぐ、ぐふっ・・・・いい攻撃だったぜ・・・・・ガクッ」
とりあえず北川を流星拳で葬っておく。
「あ、祐一さん!・・・・・・?これ、何ですか?」
「ああ、ただの屍だ、気にするな。それより何のようだ?」
「えっと、ですね。よかったら祐一さんと一緒に帰りたいなぁ〜と思って・・・・ここまで来ちゃいました♪」
「へぇ〜、栞、いつの間に相沢くんと知り合いになってたのよ?」
「あ、お姉ちゃん」
「あ、お姉ちゃん。じゃ、ないわよ・・・・まったくわたしを差し置いて相沢くんのところに行くなんて・・・・」
「お姉ちゃんて・・・・・・まさか?」
「そ、栞は私の妹よ」
「です♪」
・・・・・・・・・・栞が香里の妹ということもびっくりなのだが・・・・・
「祐一・・・・・栞ちゃんにまで手を出してたんだね・・・・」
「だから名雪!誤解を招く言い方をする・・・なっ!?」
・・・・今はそれどころではない。
全身を悪寒が支配する。
射抜くような視線を後ろに感じる。
そ〜っと、その視線のをたどっていく。
そこにはこれ以上ないくらいの笑顔でむつきママが笑っている。
だが、俺にははっきりわかった。
こめかめのあたりがそうとうに引きつっている。
むつきママは俺と視線が合うとにっこり笑い・・・・・・・。
ガンッ
凄まじい勢いで扉を閉めて出て行ってしまった。
「あれ、祐一さんどうしたんですか?顔色が凄く悪いですよ」
「うん、おまけに凄い汗だね?どうしたの?」
「本当、まるで蛇に睨まれたカエルね」
「残念です・・・」
「悪いな・・・・・。じゃ、名雪と香里もまた明日な」
「ええ、バイバイ、相沢くん」
「また、明日だよ、祐一」
3人に軽くてを振りながら俺は憂鬱な気分で教室を出た。
うう・・・・・どうやってむつきママの誤解を解こう・・・・・はぁ。
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UP Date 12/29
おおぅ・・・・・話が全然進まない(汗)はづきとみなが出るのは何時になるんだ・・・・・(汗