Memories Off Another

 

 

 

 

Another World

    Another Memories

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「悪いなぁ、信くん。今日も散々楽しませて貰ったよ」

ゲーセンの帰り道、突然降ってきた雨。

仕方なく寄ったコンビニで勝った傘をさして、悪友である信と並んで歩く。

「く、くそ〜、なんで俺は俊に勝てないんだぁ・・・っ!」

ゲーセンで遊ぶこと2時間。

対戦による戦績は俺の余裕の勝ち越し。

「まぁまぁ、そう気を落とすな。今に始まったことじゃないんだから」

「だから余計に悔しいんじゃないかっ!わかるか?俺のこの無様な気持ちがっ!」

信は確かにゲームそのものは下手じゃない。

ただ単に詰めが甘いだけなのだ。

「気にするな。俺は楽しかった。それで満足だ」

「おい!俺の叫びをあっさりと流すじゃないっ!」

「ま、それはどうでもいいとして・・・」

「よくないっ!」

「そんなことよか、お前、高校決めた?」

悔しがる信の叫びを無視して俺は話題を変えた。

今の俺らは中2。来年は受験と言うことでそろそろ進学先の高校を考えないといけない。

「ん、高校か?そうだなぁ・・・・やっぱり浜咲と澄空あたりが狙い目じゃないか?」

「して、その理由は?」

「ズバリ!可愛い子が多い!この2校は制服のデザインが女子に人気があるからな。必然的に可愛い子も集まってくる」

うんうんと、したり顔で頷く信。

・・・・・・・まぁ、やはりというか、なんというか。いかにもこいつらしい理由ではある。

「で、そういうお前はどこなんだ?」

「ん〜、俺も澄空か浜咲かなぁ。近いし」

信の理由にもちょっぴり賛同できる。

「なるほど。と、なると後は俺たちの学力が問題か・・・・」

「・・・・おい、こら。誰の学力が問題だって?」

と、白い傘の女の子とすれ違いざまに香る柑橘系の香り。

反射的にその子を振り返ってしまう。

女の子は白い傘をさしてる手とは別にもう一つの傘を持っている。

誰かを迎えに行く途中なのだろう。

「ん、どうしたんだ、ボケッと突っ立って?」

「・・・・いや、別に」

訝しげな顔をした信に適当に返事をしている間に女の子は横断歩道を渡ろうとしている。

―――瞬間、かなりのスピードでカーブを曲がってきた一台のトラック。

ドライバーのほうは女の子に気付いていないのかスピードを緩める気配はない。

「危ないっ!」

信が叫んだときに既に俺は走り出していた。

そして鳴り響くブレーキ音。

 

空に白い傘が舞った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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UP DATE 02/10/01

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読んでのとおり、オリジナルキャラが主人公にしたアナザーストーリーです。

オリジナルキャラがヒロインと付き合ったり、話したりするのを見たくないと言う方は続きをよまないほうが無難かと( ̄∇ ̄;