HAPPY★KANON

 

第3話

 

 

 

目が覚めるとそこは知らない天井だった。

どうやらベットに寝かされているようだ。

とりあえず、何がどうなってるのか思い出してみる。

え〜と確か学校の校門に入って・・・・名雪にあって・・・・それから・・・・

「あ」

思い出した、確か誰かがぶつかってきたんだっけか。

首だけ回して辺りをみるとどうやら保健室みたいだな。

そのまま視線を上げると一人の女性がこちらを覗きこんでいた。

「ようやくお目覚めみたいね。気分は悪くない?」

「え、え〜と・・・・・大丈夫だと思います」

そう言ってとりあえず体を起こす。

「そう、なら問題ないわね。あ、体のほうも特に異常はないから安心していいわよ。」

そういって女の人は優しく微笑んだ。

「あなたは確か、新しく転校してきた子よね?私は三世院やよい。この学校の専任校医よ。よろしくね」

「ええと、相沢祐一です。・・・・・・・・・よろしくお願いします」

俺が曖昧に自己紹介すると保健室の扉がガラッと開く。

「祐一さん!大丈夫ですか!?怪我はありませんかっ!?」

勢いよく、中へと駆け込んできたのはむつきママだった。

後ろには俺にぶつかってきたと思われる女の人もいる。

「むつ・・・・一文字先生」

「あら、むつきさん。彼なら大丈夫よ。心身ともに問題なし。安心してちょうだい」

「そ、そうですか。よかったぁ・・・・いつまでも職員室に来ないから心配したんですよ」

いや、それは多分俺のせいじゃないし。

「それにしてもさつきさんにも困ったものねぇ。また、生徒をふきとばしちゃうんですもの」

またってなんだ、またって・・・・。

「いや〜、悪い、悪い。ま、そいつも無事だったんだからいいじゃねぇか。ハッハッハッハ」

そういって豪快に笑う女の人。

「そうそう、俺は体育担当の五箇条さつきだ。よろしくなっ」

あっけに囚われている俺にニカッと笑う五箇条先生。

「は、はぁ・・・・・・・」

「それじゃ、祐一さん。さっそく、ちょっと遅くなっちゃいましたけど教室にいきましょうか」

「あ、はい。そうですね」

素直にベットから立ち上がり、体の感触を確かめる。

うん、なんともないな。

どうやら俺が気絶していたのは10分程だったらしい。

壁にかけてあった時計を見ると予鈴なってから15分過ぎていた。

「それじゃ、祐一くん。お大事にネ」

「じゃ、また授業で会おうぜ!」

手を振りながら見送る三世院先生と五箇条先生。

な、なんだか個性的な先生たちだなぁ・・・・・。

 

 

 

 

「さ、ここが私たちの教室ですよ」

そういって教室の扉を開け、中に入っていくむつきママに続いていく。

するとそこには・・・・・

「・・・・・くぁ」

楽しげに手を振ってる名雪と香里がいた・・・・・・・・。

 

 

お約束の自己紹介を無難に終え、席へとつく。

何故か、隣には名雪が・・・・その名雪の後ろにいる香里は妙に楽しげだ。

「良かったね、祐一。同じクラスで」

「・・・・ああ、そうかもな」

曖昧に返事をする。

正直、昨日から色んなことが一度に起きすぎて、もう何があっても驚かないぞといった気分だ。

俺が遅れてきたためHRの後、休み時間もとらずにそのまま授業へと入る。

ちなみに1限は担任であるむつきママの授業だ。

「はい、祐一、教科書」

隣の名雪が教科書を差し出し、机を寄せてくる。

「いや、いいって」

流石にそれは気恥ずかしい。

「でも、教科書ないと困るよ?」

「教科書なら俺のを見せてやるぞ」

声のした後ろを振り向くとニヤニヤと笑みを浮かべる野郎が一人。

「しかし、災難だったな。転校初日から五箇条先生の洗礼を受けるとはな」

「誰だ?」

「北川だ」

「相沢だ」

「それは知ってる。自己紹介したばっかだろ」

「いや、名乗られたら名乗り返すのが礼儀だし」

「・・・・・おまえ、変な奴だろ?」

即座に俺は言い返してやる。

「いや、おまえの髪型も相当なもんだぞ?」

「ぐ・・・・」

なにやら微妙に顔を引きつらせる北川。

じつは気にしてたのか?

「祐一さん、北川くん!授業はもう始まってるんですよ、ちゃんと聞いてくださいね」

・・・・・・・・むう、いきなり怒られてしまった。

仕方ない、とりあえず大人しく授業を受けとくか。

 

 

 

そして休み時間。

何故か俺の席に集まる名雪と香里、北川。

「にしても二人とも同じクラスとはな・・・びっくりだ」

朝の香里の意味深な態度にも今なら納得だ。

「一文字先生のクラスって聞いたときは私も驚いたわよ。これも運命かしらね。ね、名雪?」

「な、なんでそこでわたしに振るんだよ〜」

「にしても五箇条先生の洗礼を受けて、そんな短期間で回復した奴なんて初めてじゃないか?」

「そ、そうなのか?」

た、確かに強力なタックルだったが・・・・・。

「そうねぇ・・・確か平均で1時間ぐらいだものね。酷いときには一日中昏倒してたわね」

北川の言葉に香里ももっともらしく頷く。

「・・・・・五箇条先生って一体・・・・」

「うちの学校の名物先生の一人だからね〜」

「・・・・名物先生の一人・・・・・ってほかにもいるのか?」

名雪の言葉に何故か不吉なものを覚えてしまう。

それは一種の予感だったのかもしれない。

「うん、五箇条先生のほかにも三世院先生、二ノ舞先生、四天王先生の三人かな?」

三千院先生か・・・・・・さっき会ったときにはそんな様子はなかったけど。

「・・・・・・・・・・何処らへんが、名物なんだ?」

「知りたいか?」

「いや、そこまで言われれば気になるだろ」

「ふふっ、すぐにわかるわよ」

香里が楽しそうに言う。

「・・・・・どう言う意味だ?」

「言葉どおりよ」

だから、わからないって・・・・・・。

だが、俺はこの後、身をもって知ることになる・・・・・・。

香里の言葉の意味を・・・・・・・・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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                                UP Date 6/20

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すいません、予定より大分遅れてしまいました(汗)