GSと魔法使い(仮)

麻帆良愚連隊西へ! その3

 

 

 

 

 

 

 

「ここまでは問題なし……と。ふぉんふぁんはふぉれからってふぉとふぁ(本番はこれからってとこか)?」

「ちゃんと飲み込んでから喋りなさいよ」

 テーブルの上に並べられた料理をこれ幸いにと口に詰め込む横島を横目にタマモは嘆息しながら、自身もお稲荷を口にする。

 横島たちが現在いるのは3−Aが宿泊する「ホテル嵐山」の一室。
学園長の手により横島が泊まる部屋の手配はされており、用意された夕食に二人揃って舌鼓を打っていた。
 言うまでもないが、タマモが同行することを学園長が知るはずもなく、用意された部屋は一室のみ。
それを知ったタマモに横島が焼かれたかけたのは余談である。
 普段、横島の煩悩を目の辺りにしている身としては、同じ部屋で寝泊りというのには抵抗があったのだが、いざというときの対応が遅れること、余計な出費を渋る横島の金銭的な都合など諸々の事情により止む無く同室を了承した経緯がある。
 独立してある程度、金銭的な余裕ができるようになったにも関わらず、横島の貧乏性はそうそう変わらないようだ。
 また自身が横島にとって煩悩を発揮する対象外であることも大きい。お前はガキだと見なされているようで、些か癪な部分もないではないが。

「ま、確かに関西呪術なんとかが仕掛けてくるとしたらこれからでしょうね」

 口にした稲荷に頬を緩ませながら横島の言葉に頷く。
 結局、新幹線でのカエル騒ぎ以降、それらしい妨害や仕掛けはなかった。
A組特有の賑やかさはあったものの、清水寺の観光など、概ね修学旅行らしい光景と言えただろう。
だが、今までが何もなかったからとはいえ、それで油断をする訳にもいかない。
A組の面々も今頃は賑やかな夕食を摂っているはずだが、これからの時間帯は単独行動も多くなるだろう。
団体行動をしていた日中よりも、人目につきにくい夜のほうがより警戒せねばならない。

「ま、明け方までの見張りは俺がするから、それまではゆっくり休んどけ」
「ん」

 明け方からホテル出発までは横島が睡眠を取り、タマモが警戒するということだ。
交代での見張りにはタマモも異論はないので、味噌汁を啜りながら軽く頷く。

「あぁ、でも一つだけ言っておくけど」
「ん?」

 ふと、思い出したようにタマモは箸を止め、真剣な眼差しを横島へと向ける。

「中学生の覗きなんてみっともない真似だけはやめてよね。それで所長が捕まったなんて洒落にならないから」

「誰が中学生なんぞを覗くかっ!そこまで堕ちとらんわいっ!!」

「へー」
「まったく信じとらんな、こいつ……」

 まるで信じていないタマモの反応に井桁を浮かべる横島だが、タマモからすれば当然の反応だ。何しろこの男のスケベは筋金入り。
確かにこの男の好みの傾向は年上であるようだが、一定以上の容姿が整っていれば人外だろうと欲情できるのだから。

「私のこと覗いたら塵一つ残さずに燃やす尽くすから」
「せんわっ!」

 

 

 

 

 

「兄貴、やっぱり怪しいのは桜咲刹那だっ!」

 ネギに与えられた部屋の一室でカモはネギに訴えかける。

 新幹線で親書を式神に盗まれたネギが追っていった先に待っていたのは、真っ二つに切り裂かれて紙に戻った式紙と、親書を手にした刹那だった。
幸い、というべきか親書はすぐに刹那からネギへと返還されたが、彼女はすれ違い様に聞き捨てならない台詞を残していった。

曰く、「気をつけたほうがいいですね、先生。――――特に……向こうに着いてからはね」、と。

 式神を操っていたのは刹那であり、彼女こそが関西呪術協会のスパイに違いない、とカモは主張する。

「うーん、でも……」

 対するネギのほうはすんなりとカモの主張を受け入れられない。何しろ刹那は自分の生徒である。
一教師として、自らの生徒を疑うようなことはしたくないし、確たる証拠もない。
とはいえ、全くの無関係とも考えられない。
無関係の人間が都合よくあの場に居合わせるはずもなく、エヴァンジェリンの例もある。

「う〜ん、う〜ん」

 能力的に優れているとはいえ、所詮ネギは9歳に過ぎない。
臨機応変に対応する機微や経験と言ったものはまだ備わっておらず、決断を下せないまま思考のループに陥ってしまう。

「ネギ先生、いらっしゃいますかー?」
「あ、はい」

 そのループを止めたのはドアをノックする音と、それに続く声だった。
声から察するに同じ麻帆良の教師である源しずなのものに間違いないだろう。

「教員は早めにお風呂に入っちゃってくださいねー」
「あ、はーい」

 このまま考えていても結論は出ない。そう考えたネギは思考を切り替えて大浴場へと向かった。

 

 

 

 

 

 一方、その頃、横島も同じように大浴場へと向かっていた。
 ただし横島が歩いているのはホテルの通路ではなく、険しい茂みの中だ。
おまけにその頭には頬かむりをしていて不審者そのもの。他の人間に見つかれば通報間違いなしだろう。

「フ、フフフ。まだまだ甘いな、タマモ。何もこのホテルに泊まっているのは女子中学生だけではないっ!く、くふふ……いざ行かん!我が桃源郷へーっ!!」

 さしもの横島も年下の中学生達相手の覗きには罪悪感を覚えてしまい、極めて少ない理性でも辛うじて抑制が効いた。
無論、彼女らの中には大人顔負けのスタイルを誇る者も存在し、というか3−Aの連中は良くも悪くも中学生離れしたスタイルの少女達が多く、それらを目前にすれば容易く横島の理性という名のブレーキは崩壊してしまうだろうが、それでも積極的に彼女らを覗こうとは思わなかった。

 ならば何故、横島は覗きへと向かうのか?

 ホテル嵐山は万が一に備えて、麻帆良学園が貸し切っている。当然、麻帆良学園以外の一般客などは存在しない。
だが、生徒がいれば引率の教員がいるのは必然。
大宮駅からここに至るまでにしっかりと横島は覗きと対象となるべき女性に目をつけている。
生徒達からはしずな先生と呼ばれていた女性だ。
そんじょそこらの女性では比べるべくもない巨乳の持ち主である彼女を見つけたときに、声を掛けずに自制しきったのは多少なりとも横島にプロとしての自意識が芽生えていたからだろうか?
ともあれそんな彼女が同じホテル、しかも露天風呂ともなれば横島が大人しくしていられるはずもない。

「くくく、待ってろよ、俺のちちしりふとももーっ!!」

 そんな自らの欲望を叫ぶ横島は、すぐそばにある看板に気づくことはなく、目的地へと邁進していくのだった。

 その看板にはこう記してあった。

  ”立ち入り禁止
   この先、女湯につき、のぞき防止のトラップあり

 

 

 

 

「ふふふ。このウチがあの程度の脅しに屈すると思ったら、大間違いやでーっ!」

 横島と同じように女湯へと向かう影が一つ。天ヶ崎千草である。
あの吸血鬼は自分を害さない限り、手を出さないと言っていた。
流石にエヴァが傍にいる状態では手を出す気にならないが、それでも木乃香さえ手に入れてしまえばどうにでもなると千草は踏んでいる。
何しろ木乃香の魔力はあのサウザウンドマスターをも凌いでいるのだ。サウザンドマスターに破れた吸血鬼など物の数ではない。
 本来の予定であれば、清水寺でのA組の生徒達にちょっとした仕掛けで飲酒させ、酔い潰させるつもりであった。
そうして大半の人数を大人しくさせ、木乃香の誘拐を実行する算段だったのだがエヴァのせいで計画がすっかり狂ってしまった。
だが、それで諦めるわけにはいかない。
 千草の次なる計画は露天風呂にて待ち伏せし、木乃香を直接さらう。
麻帆良学園の生徒が露天風呂に入る時間帯は貸切の為、生徒や教師以外に護衛がいたとしても、露天風呂内までは付いてこれない。
 新幹線の件で、こちらの目的は親書にあると思い込んでいれば、例え護衛がいたとしても不意をつければなんとかなるだろう。

 だが、その千草の目論見は予想外の伏兵に崩されることになる。

 

「落とし穴ーっ!?」
「ひーっ!?け、毛虫がーっ!!」
「な、何でこんな所に火炎放射がーっ!?」
「きゃーっ!?レーザーって、んなアホなーっ!?」

 

 

 

 

「ねーねー、裕奈。なんか向こうのほうでおっきな音しない?」
「なにか爆発してるような音ちゃう?」
「あー、もしかしたら覗きかも?」
「……なんで覗きであんな凄い音出すわけ?」
「そういえば、なんやパンフに書いてあったねー。意地とプライドにかけて覗きはさせたりしませんて」
「そうそう、覗き撃退用に地雷とかレーザーまで完備してるんだってさー」
「いや、それは普通に覗きの人が死んじゃうんじゃ?」
「あはは、別に覗きならいーんじゃないのー?」
「っていうか、そこまでして覗こうとするバカなんていないでしょ?」
「だよねー。あはは」

 

 

 

 

『警告します!この先は女湯です。侵入者は覗きとみなし、射殺します!』

「またかーっ!?突破しちゃる!覗いたる!やったるーっ!!」

 約一名ほどそのバカがいたりする。

 

 

 そしてその頃の千草。
 身に付けた衣服はおろか、髪は煤け、身に纏った身体能力強化用の式神すらもボロボロの有様であった。
確かに行く先々に覗き防止用のトラップがあると警告を受けた。だが、それもあくまでホテルが自主的に用意したものに過ぎない。
裏の世界で活躍する自分ならばその程度で足止めされるはずもないと高を括っていた。
 だが、仕掛けられたトラップの質は千草の予想を遥かに超えていた。
最初のトラップは落とし穴。油断していたのは事実だが、それでも式神を用いてそれはクリアした。
だが、奥へ進むにつれ、仕掛けられたトラップの質は桁違いに上がっていく。
終いには赤外線レーダーと連動した銃火器、果てにはレーザーまで備えられていたのだ。
何処の世界に覗き防止にレーザーを用いるホテルのがあるのかと千草は心の底から叫んだ。
が、実際に目の前に存在するのだからどうしようもない。
 千草の式神と札、全能力を総動員すれば突破は不可能ではないかもしれない。
だが、それだけのリスクを払ってトラップ郡を突破したとしても、露天風呂に辿り着くまでに全力を使い果たしていては何の意味もない。

「なんで、たかが露天風呂にこんなトラップを仕掛けとるんやーっ!やってられるか、アホーッ!!」

 悪態を付きながら涙目で撤退する千草であった。

 

 

 

 

「はいはい皆さん就寝時刻ですよー。自分の班部屋に戻ってくださーい」
「はーい、ネギ君またねー」
「おやすみ、ネギくーん!」

 就寝時刻となり、生徒たちもそれぞれの自分の部屋に戻っていく。
とはいえ、そこは遊びたい盛りの女子中学生。修学旅行という格好のイベントでそうそう就寝時刻通りに眠りにつくはずもなく。

「ほんっと、ここの連中って騒がしいわねー」
「まー、中学生の修学旅行なんてこんなもんだ」

 就寝の点呼を取った直後に部屋を抜け出すものも多く、それぞれに修学旅行初日の夜を過ごしていた。
が、度を過ぎて騒げば、学園広域指導員である新田が黙っているはずもなく。

「コラァ!3−A、静かにせんかぁっ!」

 麻帆良学園でも古株に数えられる『鬼の新田』の一喝によって、沈静化させられてしまう。
朝まで自分の班部屋から退出禁止を言いつけられ、それが見つかったら朝までロビーに正座というおまけ付きである。
流石に初日で朝まで正座というのは翌日に以降に響きそうなので、大半の生徒は今日のところは自分たちの部屋で大人しくすることにしたようである。
無論、例外も存在するだろうが。

「修学旅行ってこういうもんなの?」
「ま、こんなもんだ。こっちとしてが警戒しやすくて助かるけどな」

 こそこそと影から木乃香を護衛する横島たちにとっても、出歩く人間が少ないほうが動きやすい。
二人並んでホテルの中を見回る。

「で、今のところ特に不審な気配はないんだよな?」
「そうね、今のところは何もないみたいだけど」
「と、あれは刹那ちゃんか?」

 反対側の通路から現れた浴衣姿の刹那は自らの愛刀である夕凪を携えていた。
何をしているか考えるまでも無く、木乃香の護衛として見回りしているのだろう。
横島としては修学旅行ぐらい素直に楽しめばいいのに……と思わなくもないが、根が真面目そうな彼女には難しいのかもしれない。

「刹那ちゃん」

 この機会に刹那とタマモの顔合わせをしておこうと考えた横島は刹那に声をかける。

「あ、横島さん。……そちらの方は?」

 声を掛けられた刹那は横島の傍に立つタマモへと目を向ける。
一見、自分と同年代に見えるが横島の関係者である以上、見た目に惑わされてはいけないというのは愛子の件で学習している。

「うちの事務所メンバーだ。愛想はないけど感覚の鋭さはピカイチだぞ」
「タマモよ」
「桜咲刹那です。よろしく」

 タマモの素っ気無い自己紹介に、自らも自己紹介するが、対するタマモの反応は軽く頷くだけでそれ以上のリアクションはない。
確かに愛想は良くない。ただ、別に自分を嫌っているわけではなく、これが彼女の素なのだろうと刹那は考える。
だが、タマモの態度以上に刹那には気になることがあった。

「……あの、ところで、横島さんは何故そんなに傷だらけなんでしょうか?」

 今の横島はまさに全身傷だらけの満身創痍。まさか、自分の知らないところで関西呪術協会の襲撃があったのか。

「いや、なに、別に大したことじゃないさ。あはは」
「はぁ」

 

「…………悔しくなんかないさ、こんちくしょーっ!!」

 

「え、えっと、横島……さん?」
「気にしないでいいわよ。いつものことだし」
「は、はぁ……」

 いきなり咽び泣く横島に困惑する刹那だが、タマモのほうはある程度の予想が付いてる為、反応は冷ややかである。

「それはそうと刹那ちゃんは出歩いてて平気なのか?班メンバーとかに怪しまれたりとか」

 刹那が木乃香の護衛をしていることは本人にも内緒にしている以上、他のクラスメイト達もそれは同じだろう。
それなりに腕が立ちそうな彼女が新田に捕まることは横島も思っていないが、自分の部屋からの退出禁止を言いつけられているこの状況で不審に思われないものか。

「あぁ、それなら平気です。エヴァンジェリンさんと茶々丸さんは点呼を取った後、早々にホテルから抜け出したみたいですし、相坂さんも朝倉さんのところにいるようですから」
「あー。なるほど」

 刹那の話に横島も納得する。あのエヴァがたかが教師の言うことを素直に聞くはずはなく、さよに至っては幽霊であり、おまけに人形の姿だ。
一応、刹那の班にはもう一人、ザジがいるのだが、こちらは刹那にもよくわからない。
が、他のメンバーが既にいない以上、刹那がいなくなってもさして気にしたりはしないだろうと踏んでいる。

「今のところ、大した手出しはしてきてないけどやっぱこれから仕掛けてくるかな?」
「えぇ。新幹線での件もありますし、間違いなくこれから仕掛けてくるでしょう」

 敵の目的が親書か木乃香、もしくはその両方なのかまではわからないが、何も手を出す気がないのなら新幹線でも仕掛けてこないはずだ。
あの件が単なる牽制なのか、他に理由があったにせよ、今後も関西呪術協会が何か仕掛けてくるのは間違いない。

「……そうこう言ってる間に来たみたいよ。横島っ!」

それまで沈黙を守っていたタマモがピクリと反応し、すぐさま駆け出す。

「おうっ!」

 横島と刹那もその後に続く。

「あの、横島さん、彼女は一体……?」

 タマモのリアクションからすぐに何か事が起きたのは察せられるが、自分にはまだ異変を感じられない。
感覚の鋭さには自信があったつもりだが、それを凌駕する感覚を持つ彼女は何者なのか。

「あぁ、あいつは妖狐だから。人間の数倍、鼻が効くんだよ」

 さらっと言ってのける横島の言葉に、刹那は一瞬言葉を失ってしまう。

「……どうかしたか、刹那ちゃん?」
「え、いえ、別にっ!」

 いきなり黙り込んでしまった刹那に横島は首を傾げ、刹那は何でもないと、慌てて取り繕う。
既に愛子を始めとして、横島の学校の事情は聞き知っている。事務所メンバーに妖怪がいたとしても、彼にとってはどうということはないのだろう。

 そして今はそんなことに気を向けている場合ではない。

「横島さん」
「あぁ」

 ここに至って刹那と横島にも霊的な力の発動を感知できた。刹那の胸のうちにあった嫌な予感が確信と焦燥へと変わっていく。
霊的な力が発動した場所はほぼ間違いなく、彼女の護衛対象がいるはずの部屋なのだから。

「お嬢様っ!」

 タマモを追い越した刹那が木乃香がいるはずの部屋へ飛び込む。

「えっ?あ、さ、桜咲さん!?」

 部屋の中を見渡せば、アスナの他に宮崎のどかと綾瀬夕映、早乙女ハルナの姿が見受けられる。が、肝心の木乃香の姿が見当たらない。

 刹那があまりの勢いで飛び込んできたためか、眠っていたのどかや夕映まで目を覚ましたが、刹那にはそんなことを気にしている余裕はない。

「神楽坂さん!このかお嬢様はっ!?」
「えっ、あっ?木乃香ならトイレだけど?」

 刹那のあまりの剣幕に圧倒されたアスナがトイレを指差すと、すぐさま刹那はトイレの前に駆け寄りドアをノックする。

「このかお嬢様っ!?」
「はいっとりますえ〜」

 返ってきたのは確かに木乃香の声。だが、刹那の切羽詰った問いかけとノックの勢いからして明らかに反応がおかしい。

「ちょっと失礼」

 アスナが始めてみるクラスメートの様子に困惑する間もなく、彼女の見知らぬナインテールに髪を括った少女が部屋へと侵入してくる。

「……誰?」

 侵入者の少女はアスナの問いに答えず、鼻を一息ならすと、躊躇無くトイレの扉を蹴り開ける。

「これはっ!!」
「やっぱりね」

「ちょ、ちょっと、何事――っ!?って、えぇっ!?」

 こじ開けた扉の中には木乃香の姿は無く、便座の一枚の札が貼られているのみ。
そしてその札が、木乃香の声で「はいっとりますえ〜」と、繰り返していた。

「しまったっ、やられた……っ!」
「大丈夫。霊波の残り香からしてまだそんなに経ってないわ。十分、追える」

 まんまとしてやられたことに臍を噛む刹那だが、タマモがそれを諫める。
タマモが異変を感知してからここに駆けつけるまで一分も経っていない。木乃香の霊波もしっかりと残っている以上、追跡は容易だ。

「それじゃあ――」
「えぇ。狩りの開始よっ!!」

 

 

「な、何……一体、何なの?」

 突然、飛び込んできたクラスメイトと謎の少女は何の説明もせずに現れたときと同様の勢いで部屋から飛び出してしまった。
一部始終を見ていたのどかと夕映もアスナと同じように呆然としていた。
我に返ったアスナがネギへと連絡したのは、それからゆうに五分以上経ってのことだった。

 

 

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UP DATE 09/5/25

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このSSでは露天風呂は混浴ではありません。