ROUND11「ペルー第2戦決勝!」
ワールドGPX第2戦ペルーラウンドも既にスタートから数時間が経過し、大地を闇が支配している。
暗黒の大地の中、マシン・ドライバーともに長時間、極限を強いられる過酷なレース。
全てにおいて消耗が激しく気を抜けば、一気に脱落していく。
数あるサイバーフォーミュラレースでも屈指のサバイバルレースだ。
「浩平、サーキット重視のスペリオンには圧倒的に不利です。あまり無茶をしないように」
「わかってるよ。俺がそんな無茶するわけないだろ?余計な心配しないでゴールで待ってろよ」
サーキット走行を重視されて設計されているスペリオンだが、そんなことを微塵も感じさせずに力強い疾走を続けている。
茜は念のため・・・・といった感じで忠告したが、浩平のしっかりとした自信を表す言葉に安堵の笑みをもらす。
もっとも、その変化はわずかの者しかわからないような小さなものだったが。
中継地点のプーノのサービスポイントにはトップグループを先頭に次々と各マシンが到着していく。
長いレースにおいて唯一の休憩地点であり、まさにドライバー達にとってのオアシスだ。
メカニックがマシンの整備をしている間にドライバーは休息をとり、消耗した体力・精神力をすこしでも回復させていく。
そして祐一のラリーカノンもようやくプーノへと到着し、スノークリスタルのトランスポーターへと辿り着く。
「祐一さん、生きてます?」
栞や真琴に支えられながらコックピットから出ていく。
第1ヒートだけでもかなりの体力を消耗していたのだ。
「ああ、なんとかな・・・・。今何位だ?」
「11位。折原も住井もすぐ前!」
「よし・・・・!勝負はこれからだ!」
真琴の報告を聞いた祐一は体力を消耗させならも覇気を失っていない瞳で後半戦へのテンションを高めていた。
時刻は午前1時55分、まもなくトップのマシンがスタートしようとしていた。
現在のトップはポールポジションのシューマッハをかわした舞。
続いてシューマッハ、佐祐理と続いている。
ここからゴールのラパスまでは287キロ、この時点で計8台のマシンがリタイヤしており、
更に過酷なサバイバルレースとなることが容易に予想できる。
「よし!カノンの整備は万全よ。そっちは?」
「システムのほうも問題ありません。後半戦もバッチリです」
美汐の言葉に七瀬も頷き、
「あとはドライバーに託すのみね・・・・・・」
午前2時を回り、トップの舞がスタートしていき、続くシューマッハがスタート位置につく。
タイムトライアル形式をとるこのレースでは第1ヒートの到着順に時間差を分け、第2ヒートを開始していく。
「あ、祐一くん、まだ休んでなきゃ駄目だよっ!」
コーヒーを飲んでいた七瀬が声の方を振り向くと、あゆの制止をふりきってカノンへと向かう祐一の姿が見えた。
「もうすぐスタート時間だ。みなもちゃんとの・・・約束を、絶対に果たすんだ・・・・」
まだ、体力が回復しきってないせいか足取りはおぼつかないが瞳の覇気だけは全く衰えていない。
「いい根性してるわね」
そんな祐一の姿に一人笑みを浮かべる七瀬であった。
そしてカノンも第2ヒートのスタートを切る。
体力は消耗してもそれを補う気迫の走りで前走車との差を詰めていく。
(絶対に・・・・勝たなくちゃならないんだ・・・・)
祐一の脳裏に浮かぶのはみなもとの約束・・・。
(あの子の為に・・・・・!)
「あ、相沢くんが9位に上がったよ」
彩花とみなもはギャラリー用に設置されたモニターでレースを観戦していた。
「9位か・・・・・表彰台からは全然遠いね・・・・この分だと完走が精一杯ってとこかな・・・・」
祐一は確実に順位を上げているが、表彰台にはまだ遠く、みなもの表情もあまり明るくない。
「みなもちゃん・・・・・」
「決めたんだ。みなもちゃんの退院祝いに最高のプレゼントをするって」
その祐一の言葉にカノンがマシンヘッドを向ける。
『プレゼント?何のことだ?』
「表彰台の上で歌うんだ。みなもちゃんに聞こえるように。
ことーばじゃ足りなくてー♪ 気持ちーじゃ見えなくてー♪
空回りしているー♪ 時の中ー走ってきたー♪
何故かー 君の目は哀しく語ってたー♪」
『リズムと音階の組み合わせか。しかし、それとプレゼントの因果関係が理解できない』
「みなもちゃんに贈る歌さ」
『歌・・・・その音階がプレゼントになるのか?』
「理屈じゃない・・・・・あの子に・・・歩く勇気をあげたいんだ。俺の・・・・・精一杯の力で・・・・!」
『よく理解できないが、今の言葉インプットしておこう』
「ようやく来たか・・・・・カノン・・・!」
北川が覗くミッショネルのミラーには追い上げてくるラリーカノンの姿が映っている。
「よし・・・・・・少し遊んでみるか」
ギアを入れ替え、カノンに抜かれまいとペースを上げていく。
「こいつ・・・・!抜かせないつもりかっ!」
横に並びかけたミッショネルがスピードを上げカノンの前を塞ぐ。
「トップグループはまだ先・・・・・!こんなところで手間取っていられない!」
果敢にミッショネルにプレッシャーをかけ、隙あらば、前に出ようと仕掛けていく祐一。
「ほう・・・・!久瀬の話だとマシンと運だけでGPXに来たって話だけど・・・・それだけじゃないみたいだな!」
実際、祐一の腕は第1戦の時と比べても格段に上達していた。
トップグループのドライバーからすればまだまだ荒削りだが、その上達ぶりには目を見張るものがあった。
北川が祐一とバトルするのは初めてだったが、祐一とのバトルで熱くなり始めてる自分に気付き始めていた。
「・・・・・ちっ。できればこのまま、おまえとのバトルを楽しみたいとこだが・・・・そうもいかないんでな」
カノンを抑え、前に出たミッショネルは突如、ホイールスピンを起こし、砂塵を巻き上げる。
「何っ!!前が見えない・・・っ!」
突然、視界を塞がれた祐一はパニックに陥りながらもステアリングを操る。
「北川潤に気をつけなさい」
レース直前にシューマッハに言われた言葉を思い出す。
「くっ・・・!」
しかし、ミッショネルは砂塵の中でカノンとの距離を縮め、カノンを崖へと追いやっていく。
「これで・・・終わりだっ!」
遂にカノンのタイヤが道を外し・・・・・・・谷底へと落下していくカノン。
「う、うわぁぁぁぁぁっ!!!」
祐一に為す術はなく、カノンは深い闇へ消えていった・・・・・・・・・。
「・・・・・・・後味の悪い仕事だったな・・・・」
『よくやったぞ、北川。回収チームを送るから君も合流し―――』
久瀬からの無線を切る北川。
「あいにくだが俺はレーサーなんだよ・・・・。俺が本当に欲しいのは・・・・・勝利だ・・・・!」
ステアリングを握りなおし、レースへと復帰していくミッショネル。
谷底に落下したカノンは森の中でそのシステムを停止していた。
ライトも含め、全ての計器が停止し、闇に包まれていた。
「く・・・・・・動いてくれ・・・・カノン・・・・」
なんとかシステムを復旧させようとスイッチを押す祐一だが、カノンの反応はない。
「ち・・・・・・サイバーシステムを・・・・復活させないと・・・・くぅっ、しま・・・・っ」
直接システムを復活させようと、コックピットから出る祐一だが、落下したときにぶつけた腕が痛み出す。
そして、更に運の悪いことに痛みで足を滑らせ、斜面を滑り落ちてしまう。
「うわぁぁぁぁっ!!」
「相沢さん!どうしたんですか!?相沢さんっ!」
カノンからの連絡が途絶え、美汐が必死に無線に語りかけるが、反応はない。
「どういうこと?何があったのよ!?」
七瀬が美汐に問うが、美汐は静かに首を横に振る。
「わかりません。通信機能が回復できないんです・・・」
《ただいま入った情報によりますとラリーカノンが谷底に落下したとのことです!》
「えっ・・・・・・!」
ギャラリーの中の彩花とみなもにも驚愕が走る。
《カノンは深い闇の中。影も形も見えません。激しい追い上げを見せていましたが惜しくも脱落か。
現在トップは川澄舞のソニックブレード。続く2番手はナイトセイバーのシューマッハ。そしてシルバーアローの倉田佐祐理!》
舞「このコースはドライバーの腕以上にマシンの信頼性が重要・・・・・・」
シューマッハ「勝負はゴール手前ね・・・・」
《そしてこの3台を猛追する住井護!折原浩平!表彰台に食い込んでくるかっ!?
おーとっ!!その後方から激しく追い上げてくるマシンが1台!ミッショネル!北川潤だ―ッ!!》
北川「俺は・・・・・・勝つ!」
「う・・・・・・くそっ・・・・・何処だ・・・・カノン・・・!」
陽光が差し込む中、立ち上がり辺りを見回す祐一だが、不意に視界が霞む。
「・・・・!・・・・目が・・・・」
だが、祐一の異変は目だけではなく、軽い頭痛も引き起こす。
高い標高で空気が薄いためだろう。
そして辺りをもう一度見回すがカノンの姿は何処にもなかった・・・・・・・・。
《相沢祐一は已然、行方不明。リタイヤはほぼ間違いないでしょう》
「なんだ・・・・・完走も無理だったみたいだね・・・・・」
そう言ってみなもは顔を伏せてしまう。
「・・・・・・・・・相沢くんはみなもちゃんを裏切ったりしないよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・彩花ちゃん」
少しの沈黙のあと、みなもは彩花のほうを振り返る。
「みなもちゃん、世の中にはね、二通りの人がいるんだよ。苦しいことがあるとすぐ諦めちゃう人。
・・・・・・それからどんなことがあっても最後まで約束を守ろうとする勇気ある人・・・・。
相沢くんがどっちの人かはわたしにはわかるよ・・・・みなもちゃんだって信じたいんでしょ?」
「・・・それは・・・・」
「とにかくわたしは信じてるよ。まだリタイヤって決まったわけじゃないもん」
静かに語る彩花の表情はとても穏やかだった。
「ここは・・・・・何処なんだ・・・・カノン・・・!」
足場の悪い森をさまよう祐一。
闇の中で必死にカノンを探すがその姿は何処にも見当たらない。
「何処だ・・・!カノ―――ンッ!!!!」
祐一の叫びは虚しく闇の中へと消えていった・・・・・。
『自動制御システム・ON』
停止していたカノンのシステムが復活し、次々にコックピットに光が灯っていく。
『データ分析。コースアウトから4分が経過。すぐレースに復帰すればまだ間に合う。
しかしドライバーが・・・・・。ドライバーがいなくなったときの措置はプログラムされていない。どうすれば・・・・・・・』
途方に暮れていたカノンだが、何かを思いついたようにマシンヘッドを上げる。
『・・・・・・・・そうだ、さっき学習した方法が。難しいがやってみよう
音声複合。ア・・・ア・・・ア・ル・イ・テ・ユ・コウ。ウォ・ウォ・ウ コ・レ・カラモ・ずっと♪
WOW WOW 歩いてゆこう♪ 前が見えるように♪』
初めはぎこちなかった声が徐々に自然なリズムを刻んでいく。
言葉じゃ足りなくて 気持ちじゃ見えなくて
空回りしている 時の中 走ってきた
何故か 君の目は 哀しく語ってた
自分を信じて 焦ることは何もない♪
WOW WOW 歩いてゆこう♪ 前が見えるように♪
「カノン・・・・・カノンなのか・・・・」
カノンの歌声は祐一へと届いていく。
《歌です!歌が聞こえてきました!》
「秋子さん!この声は!」
「ええ・・・・カノンね・・・・」
カノンの歌声は祐一だけでなく、チームスタッフ、ギャラリーへと届いていた。
もちろん、みなもにも・・・・・。
自分を信じて 焦ることは何もない♪
WOW WOW 歩いてゆこう♪ WOW WOW これからもずっと♪
WOW WOW 歩いてゆこう♪ 前が見えるように♪
「カノン・・・・・歌ってる・・・・」
カノンの歌声を頼りに祐一はついにカノンのところまで辿り着いた。
「サンキュー・・・・!カノン」
『祐一か、走行可能だ。すぐコースに戻る。あの子との約束を守るために』
「おう、戦線復帰だ!」
コックピットに乗り込んだ祐一はロケットアンカーを崖に撃ちこみ、崖下から這い上がっていく。
「秋子さん!あれ、見てください!」
栞の歓喜の声があがる。
モニターには中継ヘリを通して崖を上っていくカノンが映し出されている。
《カノンです!!!カノンを発見しました!なんと、まだ走行可能か!?コースに復帰していきます!》
この光景にギャラリーは皆、驚きの声を漏らし、実況のチェッカー斎藤の声も興奮の為か震えている。
「しくじったな・・・・・北川め・・・・」
一人、憤る久瀬。
「ね、わたしの言ったとおりでしょ!相沢くんはまだ負けてなんかいないんだからっ」
「相沢さん・・・・・」
自然と明るい声になっている彩花につられるようにみなもはモニターの中のカノンを見つめている。
「あの子のためにか・・・・・お前がそんな気のきいたセリフを言えるとは思わなかったよ」
『一度、学習したことは忘れない。わたしの優秀さが証明されたのだ』
「・・・・ちょっと誉めるとすぐこれだ・・・・」
苦笑する祐一だが、今は素直にカノンに感謝していた。
そしてようやく崖を登りきりコースへと復帰するカノン。
カノンの猛追が再開しようとしていた。
「まだ・・・よく目が見えない。・・・カノン!俺の目になってくれ!!」
『了解』
今までのタイムロスを取り戻すかのようにペースを上げていくカノン。
『右コーナー40R接近。シフトダウン、右ステアリング18度』
「おうよ!」
『続いて左コーナー20R』
カノンのナビゲーションを頼りに怒涛の勢いでコースを走り抜けていく祐一。
『前走車接近!2秒後にジャンピングスポット!』
《凄まじい追い上げだ、カノン!現在9位!何処まで追い上げていくのか!?》
「・・・・・・頑張れ・・・・・相沢さん・・・・・・・・・頑張れ!」
祐一の走りに何かを感じ取ったのだろう。
みなもは無心に祐一の応援をしていた。
(必ず・・・・・・・!必ず表彰台に・・・!)
《過酷なレースに生き残ったマシンは数少なく!奇跡の復活を遂げた相沢祐一にもまだ僅かの望みがありますが、
トップは遥か前方!そして追い上げる第2グループ!!》
3位を走る住井のエクスプロゼ。
だがギャップに乗り上げてしまったエクスプロゼは悪路にタイヤを取られバーストを起こす。
「って・・・おおおっ!!!???」
その影響は住井のすぐ後ろを走っていた浩平と北川にも及ぶ。
「おい、こら!住井のアホ―ッ!!」
「バカッ!!俺を巻き込むなーっ!!」
二人の叫びも虚しく、スピンしたエクスプロゼを避けようとしたスペリオンとミッショネルはともにコース外の悪路へと突っ込んでしまう。
スペリオンはタイヤの一つがバーストを起こし、ミッショネルは岩へと激突。
その間を縫って6位の佐祐理が3位へと浮上する。
「浩平!!」
トランスポーターからモニターを見守っていた茜が思わず声を上げる。
「ちっ・・・・・まだだ!!」
ギアをバックに入れ替え、ゆっくりとコースへ復帰していくスペリオン。
「スペリオンは6輪だ・・・・!一つぐらいバーストしたって・・・・・!」
だが、他の2台――エクスプロゼ、ミッショネルは微動だにしない。
「やーれやれ、ついてないときはこんなもんか」
「・・・・・・くそっ!」
猛然と追い上げるカノンはついに7位のマシンを射程内にとらえていた。
だが、この地点は両サイドを崖に挟まれたコースで通常の追い抜きは不可能だ。
「カノン!勇気はあるか!?」
『そんなものは必要ない。私には確率があればいい』
祐一の問いに断固とした口調で答えるカノン。
その言葉に祐一は自然と不敵な笑みを浮かべてしまう。
「確率は!?」
『87パーセント』
「ようしっ・・・!行くぞっ!!エフェクトファン・作動!」
ファンレバーを前後に入れ、フルパワーでエフェクトファンが作動していく。
カノンの左側の車体が浮かび上がり、そのまま壁走りへと移行。
崖に張り付いたカノンは、鮮やかに前走車をパスしていく。
《相沢祐一、素晴らしいガッツだ!!一体彼の体に何処にこんな力が秘められているのでしょう!?
一体何が!彼をここまで駆り立てているのか!!?
現在なんと6位まで浮上してきました!かつて、こんなレースがあったでしょうか!?
あの絶望的なコースアウトからレース経験の浅い彼が甦ると誰が予想できたでしょうか!?まさに奇跡!!》
祐一の凄まじい追い上げに斎藤の声も興奮を隠し切れない。
「ラパスの街だ・・・・ようやくここまできた・・・・。ありがとう、カノン」
激走を続けるカノンの前にゴールであるラパスの街が広がる。
『レースはまだ終わっていない、気を緩めるな』
「ああ・・・・やってやるぜ!!」
《朝日がラパスを包み込む中、夜明けのゴールを目指し、闇を駆け抜けてきた戦士たち!
そして、今!圧倒的な強さを見せ、川澄がトップでチェッカーを受ける!2位にはナイト・シューマッハ!!》
そして次にゴールを視界に捉えたのは佐祐理と浩平。
二人はデッドヒートを繰り広げながら最終コーナーを抜けてくる。
「いける・・・・!」
《おーとっ!折原!折原だ!3位に折原浩平だ。続いて倉田佐祐理!そして5位は!?》
ギャラリーの視線が一斉に最終コーナーへと注がれる。
《きましたっ!なんと5位のアランを追い上げているのはカノン!カノンだ―ッ!!》
「相沢さん・・・・・!」
2台の差はほとんどなく、みなもをはじめとして、全てのギャラリーが息を呑む。
『前方路面にギャップあり!』
「・・・・・・・・・・エフェクト・ファン!」
『成功率25%。車体へのダメージ大!』
「やるしかない!・・・・・・・・いけぇー――ッ!!」
祐一は躊躇ず、エフェクトファンのスイッチを入れ、アクセルを踏み込む。
そして、カノンはギャップへと乗り上げ・・・・・・・宙を舞った・・・・・・!
「―――――相沢さんッ!」
みなもは宙を舞ったカノンにつられるように視線でカノンを追いかけ・・・・自らの足で立ち上がっていた。
《カノン抜いたーっ!!全身傷だらけのカノン!500キロという長く!孤独な戦いを走り抜きました―ッ!!
なんという勇気!!!遂に!!!ゴー――――――ルッ!!!!!!!》
空中で前走車を抜き去ったカノンは着地のショックでバンパーを砕き。満身創痍ながらもゴールへと飛び込んでいった。
その光景にギャラリーは沸き立ち、会場は興奮の渦に巻き込まれていた。
「・・・みなもちゃん!」
自分の足で立っているみなもに驚き、声をかける彩花。
「・・・・・え?わたし・・・・・立ってる・・・」
彩花に声をかけられ初めて自分の足で立っていることに気付くみなも。
その瞳からは自然と涙があふれて出していた。
「・・・・・うん、みなもちゃん・・・・自分の足で立ってるんだよ!」
会場の興奮が冷めぬまま表彰式が行われている。
初めてGPXの表彰台に立つ浩平。
舞やシューマッハにシャンペンの集中攻撃を喰らいながらもその笑顔は耐えない。
「おめでとう・・・・・浩平」
その光景に茜も祝福の言葉を呟く。
また、5位入賞した祐一にも、優勝した舞、シューマッハに勝るとも劣らない拍手を受けていた。
(初のポイント・・・か。見事な走りだったわ・・・・おめでとう。相沢くん)
表彰台の上から祐一を見つめ、シューマッハは心の中で呟くのだった・・・・・。
「その・・・・・ごめん。とうとう表彰台には・・・・・俺、約束を守れなかったな・・・」
自分の足で立っているみなもを前に祐一はばつが悪そうに頬をかいている。
「いいえ、そんなことないです!相沢さんは最高に素晴らしいものをプレゼントしてくれました!」
「え?」
戸惑う祐一にみなもはにっこりと微笑み、
「それは勇気です。わたし、これからはちゃんと歩いていきます。・・・・自分の足で・・・自分の勇気で!」
その笑顔と言葉につられて祐一の顔にも笑みが広がる。
WOW WOW 歩いてゆこう♪ WOW WOW これからもずっと♪
WOW WOW 歩いてゆこう♪ 前が見えるように♪
「ん?」
突然聞こえてきた歌声に目を向けるとそこには花束を乗せたカノンに彩花、栞がいた。
「良かったね、みなもちゃん♪」
「うん!カノンさんにもお礼を言わないといけませんね。あ、相沢さんにお願いがあるんですけど」
「お願い・・・?まぁ、俺にできることならいいけど」
きょとんとした顔で答える祐一。
「相沢さんとカノンさんの絵を描かせてもらえませんか?」
「え、俺の絵?」
「はい!相沢さんの入賞記念に絵を贈りたいんです!わたしにできるお礼はそれくらいですから」
「あ、わたしもそれ参加します!」
絵と聞いて目を輝かせたのは栞。
「そういえば栞も絵を描くんだっけか」
「はい、祐一さん。わたしからもモデルお願いしますね」
当然、祐一にはここまで言われて断る気など全くなかった。
その後、完成したみなもの絵の出来は素晴らしく、祐一にとっても記念の品となった。
栞の絵については・・・・・・・・誰もがコメントを避けたとかさけないとか。
RESULT *順位*ゼッケン*ドライバー名*獲得ポイント
1*7.川澄 舞 10P
2*1.ナイト・シューマッハ 8P
3*5.折原 浩平 6P
4*23.倉田佐祐理 3P
5*30.相沢祐一 2P
6*12.アラン・ハ―スト 1P
2002/5/5
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ネメシス「なげぇ・・・・・」
彩花「ほんとにねぇ・・・・・それに後書きも久しぶりだし」
ネメシス「だな。なんか今までは話を書き終わった時点で力尽きてたし」
彩花「誤字、脱字も多かったもんね」
ネメシス「多分・・・・・・今回は大丈夫だと思う・・・・・気がしなくもない」
彩花「はぁ・・・・・・・と、言うわけで何かミスがあればご指摘お願いします」
ネメシス「ってか今、朝の6時・・・・・・これの後半、書き始めたの確か12時ごろだったような・・・・(汗)」
彩花「とにかくお疲れ様って言ってあげるよ」
ネメシス「原作は今回の話からハマったからな。今まで一番気合いれたつもり・・・・出来に反映されてるかどうかはともかく」
彩花「今回の長い話を読んでいただきありがとうございました。わたしとみなもちゃんのサイバーSS出演は今回限りですけど、
次回もよろしくおねがいしますね」