second connect2

 

 

 

 

 

プロローグ

かつての巨大連邦国家"ユージア"を支配する超大型多国籍複合企業体、"ゼネラルリソース"と"ニューコム"の二大勢力の全面戦争から
14年
ユージアは再び戦火にさらされようとしていた
一度は弱体化した両企業は、14年前とは比べものにならないほど強力になり
再び軍備を増強させつつあった
そしてAD2054年、再び戦端は開かれ、無意味な争いが始まった・・・・

この物語はそんな争いに巻き込まれた少年少女の
本来歴史に残ることの無かった、真実の記録である


 

 

 

 

第一話

AD2054年、10月6日、午前4時30分、GRDFホワイトヴァレー空軍基地、北西100キロ地点
未だ日の出も訪れていない闇の中、UPEOのマークが入った黒いのSu−43ベルクトが同じように黒い5機のSu−37Sハイ
パーフランカーと編隊を組んで氷河の上を飛行していた
「エリックより各機へ、間もなくホワイトヴァレー基地だ、各機目標を確認次第攻撃しろ、いいな」
黒いベルクトを操縦するこの部隊の隊長、エーリッヒ・イエーガー少佐が言った
『『『『『了解』』』』』
5機からほぼ同時に返答が帰ってきた
「クリス、お前はどうだ?」
エリックがそう言うと同時に、正面のホロ・ディスプレイに13、4才ぐらいの少年が映し出された
『大丈夫です』
クリスと呼ばれたその少年はやや緊張した様子で答えた
「緊張しなくてもいい、訓練通りやれば問題はない」
エリックは落ち着いた口調でクリスに語りかけた、と、その時、6機のコックピットに敵戦闘機の接近を意味するアラートが鳴り響い

「全機散開、迎撃しろ」
その言葉を合図にUPEOの戦闘機隊は散開していった

この日、AD2054年10月6日、NUN新国際連合の治安維持機構UPEOは、3日前のゼネラルリソースとニューコムのサンド
バリー砂漠での軍事衝突を機に両社の行き過ぎた戦力の弱体化を目的に両社の基地の攻撃を決定した、そして、UPEO所属の特別航
空部隊"SARF"にゼネラルリソース所有のホワイトヴァレー空軍基地の攻撃を命じた
「クソッ」
SARFの最年少パイロット、クリス・フォッケウルフはニューコムで生まれた試験管ベイビーで、幼少の頃からパイロットとして教
育、訓練された、それ故にUPEOがパイロットとしてスカウトしたのだった
『クリス、後ろにいるぞ』
クリスは僚機のパイロット、マイクの注意を聞いて、機体を大きく上昇させた、彼や他の隊員が乗っている機体Su−37S"ハイ
パーフランカー"は従来のスーパーフランカーのエンジンをF−22の様な本格的な推力変更型に変更し、火器管制システムを強力な
物に変更した強化型で、現在のUPEOの主力戦闘機だ
「もらったッ」
クリスはそう言って前にいたXFA−36A"ゲイム"に向かってミサイルを発射した、ゲイムはエンジンにミサイルを喰らって、炎を
吹きながら回転して墜落していった
『クリス、航空機はオレ達で片づける、お前は地上の敵をたたけ』
「わかった」
クリスはそう言って、基地に向かって急降下し始めた、手近なミサイルランチャーにロックオンしたと同時にミサイルを放って再び上
昇し始めた、高度が1000を着る頃、思い出したように背後で爆発音がした、爆発を確認してクリスは再び高度を下げ、今度は管制
塔目掛けてミサイルを放った、ミサイルは搭載された推進剤と爆薬を使って管制塔を破壊した、クリスはフランカーを反転させて再び
攻撃態勢を取った


「これで・・・最後だ」
クリスはそう呟いて、キャノン砲を残ったオイルタンク目掛けて発射した、数発の砲撃音の後、激しい炎がオイルタンクを包み込ん
だ、同時にレーダーから3つの反応が消えた、全ての地上物を破壊したのを確認して、クリスはフランカーを上昇させた
『レーダーが、新たな機影をキャッチ、総数不明、警戒せよ』
司令部からの連絡が入ったのはその時だった
「お先に」
クリスはそう言って、フランカーを加速させ他の機より先に敵編隊に向かっていった、数秒後、クリスのHUDに数機の戦闘機が映っ

「F/A−32とF−15Sが4機ずつか・・・」
クリスはそう呟くと編隊の中央にいるF−15S/MT"イーグル+"に向かってキャノン砲を撃った、イーグル+は砲撃を受け、右に
大きく旋回し始めた、クリスは旋回しているイーグル+の主翼目掛けてキャノン砲を撃った、キャノン砲の30ミリ弾を主翼と胴体に
食らったイーグル+は空中で爆発した
「よっしゃあ」
クリスがそう言った直後、ミサイルの接近を意味するアラートがコックピットに鳴り響いた、クリスはすぐさまフランカーを宙返りさ
せて、後ろにいた二機のF/A−32"アーン"をやり過ごした、二機のアーンは左右に分かれて反転して、スピードを上げながら基地
から離れていった
「逃げる気かコノヤロー、そうはいくか」
クリスはそう言って逃げるアーン目掛けてミサイルを発射、辺りに二つの爆発音がとどろいた


『敵増援部隊の壊滅を確認した、作戦成功、全機直ちに帰投せよ』
SARFのメンバーはわずか数分で増援8機を全滅させ海上の空母に向かって飛んでいった
(疲れたな・・・早く基地に帰って寝るか・・・)
そう思いながら、クリスは他のメンバーと編隊を組んで、海上に向かって飛んでいった