幸せな日常

 

 

 

 

 

 

 

 

 

佐祐理と舞、祐一さんとの生活が始まって一年が経とうとしていた2月の午後。

佐祐理はふとカレンダーを眺めてみました。

「ふえ〜もうすぐですね〜」

感心したように呟いた。

去年はいろいろあって気にする間もなかったですから、

今年は渡したいですね。

でも問題なのは・・・。

「舞〜」

「・・・何?」

テーベルで本を読んでいる舞に話し掛ける。

眼鏡をかけていると難しい本を読んでいるようですけど、絵本なんですよね。

「舞は2月14日が何の日か知ってる?」

「・・・知らない」

「・・・じゃあバレンタインって知ってる?」

「・・・知らない」

やっぱりです・・・。

「2月14日はね、好きな人にチョコレートを上げる日なんだよ」

「・・・そう」

気の無い返事・・・。

「舞は祐一さんに上げるのかな〜」

 

バスッ

 

あはは〜っ、チョップされてしまいました〜。

ちょっと頬が紅くなってますね。

「・・・でも渡したい」

「じゃあ佐祐理が作り方、教えてあげます」

「・・・本当?」

「はい、でもこの事は当日まで祐一さんには秘密ですよ」

「・・・わかった」

舞は素直に頷いてくれました。

「ただいま」

祐一さんが帰ってきました。

「帰ってきましたね、くれぐれも秘密ですよ」

「・・・うん」

この日から佐祐理と舞の戦い(笑)は始まりました。

「舞・・・起きてる?」

寝静まった夜、小声で舞に呼びかけます。

「・・・起きてる」

暗くてよくわかりませんが、起きたみたいです。

「じゃあ始めましょう」

「うん」

佐祐理と舞は寝室を出てキッチンに向かいました。

「じゃあまずはチョコを溶かすことから始めましょう」

と、勇んで始めたのはいいんですけど・・・。

「わっ、舞、焦げてる」

「・・・失敗」

あはは〜っ・・・前途は多難そうです・・・。

 

「・・・しょっぱい」

「・・・お砂糖と間違えたみたいですね」

 

「・・・甘い」

「今度は入れすぎたみたいですね」

 

そんなこんなで・・・。

「・・・できた」

「やったね」

なんとか完成しました。

「ただいま」

と、ちょうどいいタイミングで祐一さんが帰ってきました。

「ほら、舞」

「・・・う、うん」

「ん?どうした、舞」

「・・・祐一、これ・・・」

舞が祐一さんにチョコを差し出しました。(ちょっと興奮気味)(笑)

「・・・まさかチョコか?」

「・・・うん」

「ということは舞は俺の事、好きなんだな」

 

バスッ!バスッ!

 

ふえ〜チョップのワンツーが炸裂しました。

「・・・言わなくていい」

「そうだな、まあありがとな、嬉しいぜ」

「祐一さん、佐祐理からもあるんですよ〜」

「マジか?・・・・・・しかし今日の夕飯は店屋物かな(苦笑)」

祐一さんがキッチンの惨状を見て言いました。

「あ、あはは〜」

「・・・牛丼」

「そうだな、久しぶりに三人で牛丼食べに行くか」

「それがいいですね」

「はちみつクマさん」

舞と祐一さん・・・そして佐祐理の三人での生活・・・。

こんな幸せな時間がずっと続けばいいと思います。

もう・・・・・・幸せになってもいいよね・・・和也・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

蒼「・・・ハズイ・・・」

夜「確かにね」

蒼「出来悪いし短いし・・・」

夕「まあ初めてですからね、こういうSS書くのは」

蒼「・・・俺の分野はメカとギャグなんだよぉ!」

奈「へ〜たへ〜たですの〜♪」

蒼「だあ〜、うるさいわ!」

夕「というわけで今回はこれで」

夜「バイバ〜イ」

蒼「・・・なんだかなあ」

 

 


ども、ネメシスです。

HP解説記念に蒼竜三影さんからSSを頂きました。

いや〜こういうほのぼのとした作品はいいですね〜。

自分じゃ書きたいと思っててもなかなか書けませんから(汗)