ROUND6「開催!ワールドGPX」
《さあ、いよいよ第10回サイバーフォーミュラワールドGPX第1戦が開催されようとしています!》
既に予選のタイムトライアルが開始され、アナウンサーのチェッカー斎藤も興奮気味だ。
ランキング4位の倉田佐祐理―――昨年はドライバーとマシンデザイナーを兼任。
その正確な走りで安定した実力を持っていたが、今期は自らシュトロゼックを結成。
そのセカンドチームとして発足した「シュトルムツェンダー」のドライバーには親友の川澄舞を迎え、
共に前年度のチャンプが引退した今期の優勝候補の筆頭である。
モニターに映し出された映像は大きなゴーグルのようなサングラスをしたウェーブのかかった髪の少女が映っていた。
顔などはわからないが、様子からして祐一や名雪たちとそう、変らない年齢のようだ。
真琴 「なんでウチの紹介がないのようっ!」
栞 「そうですっ!祐一さんは初めて乗ったサイバーで世界GPXに出場したんですよ、もっと注目されてもいいじゃないですかっ!」
放送されているアナウンスに腹を立てているのは真琴と栞だ。
祐一 「・・・・・・・別にそんなのどうでもいいって」
あゆ 「うんっ!そうだよね。周りが何言ってても関係ないもん」
栞 「・・・・あゆさん、さっきまでと言ってることが違いますよ」
真琴 「うん、たしかさっきまでは「祐一くんは初めて乗ったサイバーで入賞したんだから、絶対取材がたくさんくるよ!」・・・って、いってたもんね」
あゆ 「・・・・・うぐぅ」
スノークリスタルのピットではいつもどおり栞、真琴、あゆの賑やかな喧騒(?)に包まれていた。
留美 「賑やかね・・・・・」
美汐 「そうですね・・・・」
祐一 「・・・・・さて、そろそろ俺も出るか」
そんな4人を放っておいて祐一はヘルメットを被り、GSXのシートに座る。
秋子「予選は市街地コース一周よ。思いっきりいっちゃってくださいね」
祐一 「はい,絶対に予選を通過してみせますよ」
名雪 「ふぁいとっだよ!祐一」
祐一 「ああ、行くぞ、カノン!」
水瀬親子の見守る中、エンジンを作動させ勢いよくピットロードへと飛び出していくGSX。
「カノンGSX・・・・」
ピット内で今回のGPX出場者一覧を見ていたナイト・シューマッハの手が止まった。
そのページにはカノンGSXとドライバーである祐一。
そしてスノークリスタルのメンバー達の写真が載っていた。
「相沢・・・くん?・・栞まで・・・・」
「どうかしたんですか?」
そんなシューマッハの行動を不審に思ったチームのメンバーが声をかける。
「・・・・・・いえ、なんでもないわ。それより私もそろそろ出るわよ」
一覧を置くとナイト・シューマッハはマシンへと向かっていった。
そしてナイト・シューマッハのマシン「ナイトセイバー」もサーキットへと飛び出していく。
栞 「カノンGSX、タイムアタックに入ります」
コントロールラインを通過し、市街地を走り抜けていくGSX。
そのすぐ後ろにはナイト・シューマッハのナイトセイバーがぴったりとくっついていた。
祐一 「どこのマシンだ?ぴったりとついてくる・・・・!」
だが、タイムアタックに入っている以上、それ以上気にはしていられなかった。
シフトアップし、マシンを加速させる祐一。
後ろのナイトセイバーはそれに離されずピッタリとついてくる。
栞 「予選登録しているのは30台ですよね?」
美汐 「ええ・・・今のとこ10台が走り終わってます」
美汐が走り終わったマシンの予選タイムをモニターに表示する。
留美 「中間タイムでは平均タイムを上回ってるね」
栞 「さっすが祐一さんです!これなら予選も楽勝ですよ!」
「よし、いい感じだ・・・・・いける!!」
『このままのペースを保てば、既に走り終わっている10台の平均タイムを上回る』
自分の走りに確かな手ごたえを得た祐一は、GSXを的確に操りタイムロスを最小限に抑えている。
しかし、その後ろには相変わらずナイトセイバーが後ろについていた。
真琴 「いっけぇー!祐一!!」
GSXがコントロールラインを通過する。
留美 「順位は?」
スノークリスタルのメンバーは固唾を飲んで、タイムが表示されるモニターを凝視している。
美汐 「・・・・・3位・・・・・・です」
留美 「ってことは・・・・決勝進出できるのは24台。のこりの20台全てに負けても予選通過ってわけね」
名雪 「・・・・やったぁ!決勝進出だよ!」
栞 「さっすが!祐一さん!!」
真琴 「祐一、偉い!!」
水瀬親子を除いたメンバーは今年からの新規メンバーの為、GPXの決勝進出という快挙に喜びを隠せない。
しかし、そんな中に、モニターに新たなタイムアタックの結果が表示される。
その場で気づいたのは美汐のみだ。
美汐 「・・・・ナイト・シューマッハ?」
ナイト・シューマッハのタイムは祐一を上回っており、順位は3位、つまり祐一は4位に下がったのだ。
「ははっ、GPXの決勝に出られるぞ!」
「祐一さんとカノンなら当然ですよ」
栞から予選の結果を聞いた祐一もピットのメンバーと同じようにはしゃいでいる。
「・・・・?」
浮かれる祐一が声のしたほうを振り向くと、そこにはナイト・シューマッハが立っていた。
「あんたは?」
ナイト・シューマッハは祐一の問いには答えず、
「そんなに浮かれてるんじゃ、もう決勝の答えは出てるわね」
「どういうことだよ・・・」
ムッとした声で聞き返す祐一。
「言葉どおりよ」
ナイト・シューマッハはそれだけ言うと、祐一に背を向けその場を去っていった。
ムッとする祐一だが、栞はシューマッハを見てわずかに顔色を変える。
「あの人は・・・・・・・」
「なんだ、あいつ・・・・・・」
「あの・・・・祐一さん」
「ん?」
「あの人、お姉ちゃんに・・・・似てるような気がしませんか?」
「・・・・香里に?気のせいだろ。あいつはあんな言い方・・・・・・・・・・」
そこで言葉を止めて一瞬考え込む祐一。
「するかもしれないけど、少なくともこんなところにはいないだろ。それに栞に声をかけないはずないじゃないか」
「・・・・・そう・・・ですよね。お姉ちゃんのはずないですよね」
「・・・・ま、香里にはそのうち会えるだろ。そんなに落ち込むなって。好きなだけアイスおごってやるから」
その祐一の言葉で栞は勢い良く顔を上げ、瞳を輝かせる。
「本当ですかっ!?」
「お、おう・・・・」
その勢いに思わずたじろぐ祐一。
「さっき、有名なアイスのお店を見つけたんです。日本じゃ売ってないメーカーなんで楽しみですー」
「・・・・・現金な奴」
「ちなみに値段も種類も凄いらしいですよ」
・・・・祐一がさっきの発言を後悔したことは言うまでも無い。
2002/2/21
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テンションが中途半端でなんかいイマイチ・・・・すいません・・・・あぅーっ